10月に入り残暑の名残も少なくなり始めると、いよいよ秋だなと感じるようになりますが、この季節を実感するもう一つの事柄として秋の味覚があるのではないでしょうか?

そんな秋、今がまさに旬ともいえる魚に「秋刀魚」があります。

スーパーなどで見かけると「いよいよ秋だな」と感じる方も少なくないとは思いますが、皆さんは秋刀魚が持つ素晴らしい栄養成分やメリットをご存知ですか?

「なんとなく」「旬の食材だから」「秋っぽい」秋刀魚を手に取る理由が左記のようなものではなく、「健康に良いから」と思って頂けるよう、今回は秋の味覚秋刀魚について詳しくご紹介させていただきたいと思います。

秋刀魚に含まれる栄養素とは?

秋刀魚には良質なタンパク質だけでなく、青魚ならではのEPAやDHAを始め、様々なビタミン類が豊富に含まれています。

  • EPA(エイコサペンタエン酸)
    エイコサペンタエン酸(EPA)は、体内で合成されない必須脂肪酸の一つであり、動脈硬化を防ぎ、抗血栓、コレステロールの低下などの作用による脳血栓の予防や改善に効果があるほか、中性脂肪の低下や、血小板凝集の抑制に効果があるとして注目されています。
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
    ドコサヘキサエン酸(DHA)も、必須脂肪酸の一つで、ヒトはDHAを食べ物から摂る必要があります。脳細胞の活性化や目の網膜活性化また、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きもあります。脳神経の活性化は、記憶力の向上などの効果もあります。
  • ビタミンA
    油脂に溶ける脂溶性ビタミンの一つで、レチノール、レチナール、レチノイン酸、レチニルエステルなどのレチノイド類をまとめた総称です。発育の促進、目の健康を保ったり、皮膚を正常に保つ働きがあります。また、暗所での目の慣れに寄与していたり(視覚の暗順応)、鼻やのどの粘膜に働いて細菌から身体を守るなどの役割があります。
  • ビタミンD
    脂溶性ビタミンの一つであり、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ役割やカルシウムの吸収を助けたり、免疫力を高めてくれるなど、丈夫な体作りには欠かせない栄養素です。紫外線を浴びることにより体内で合成できる唯一のビタミンでもあるため、「太陽のビタミン」と呼ばれたりもします。
  • ビタミンB₂
    水溶性ビタミンであり、主な働きとしては、三大栄養素の中の「脂質」ととても相性が良く、脂質の代謝・吸収を促すような役割を担います。また、脂肪を燃焼させ、新陳代謝を促したりエネルギーの燃焼効率を高めてくれるなど、健康な肌や髪を作るのにも欠かせないビタミンであることから、「発育のビタミン」と呼ばれることもあります。
  • 鉄分
    必須ミネラルの一つで微量ミネラルに分類され、赤血球のヘモグロビンの構成成分として全身に酸素を運搬する働きを持つ必要不可欠なミネラルです。食品中に含まれる鉄は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれている「ヘム鉄」、植物性食品に多く含まれるヘム鉄以外の「非ヘム鉄(無機鉄)」とがあります。

秋刀魚のおすすめの食べ方をご紹介!

秋刀魚と言えば、「秋刀魚の塩焼き」をイメージされる方が非常に多いかとは思いますが、是非とも知っておいて頂きたいことが一つあります。

秋刀魚に含まれるEPAやDHAは秋刀魚の油に多く含まれており、塩焼きなど加熱の際に一緒に排出されるというデメリットがあります。

もちろん、塩焼きでも栄養素を摂取することは可能ですが、上記でご紹介した栄養成分を余すことなく摂取するには、生食が最も効率が良いと言えるでしょう。

スーパーなどで売っている丸々一匹の秋刀魚の多くは加熱用になりますが、鮮魚コーナーに秋刀魚の刺身などがある場合には是非ともゲットしてください。

おわりに

今回は秋の味覚に代表される「秋刀魚」の栄養成分や健康上のメリットについてご紹介しました。

秋刀魚が持つ嬉しいメリットを知ってしまった以上、今年の秋は秋刀魚を食べずして冬は迎えられませんね。