皆さんは「クレソン」という野菜を知っていますか?この野菜、原産はヨーロッパで日本に入ってきたのは明治の始め頃とされていますが、私の周りの人に聞いても意外と知らない人が多いのです。

ピリッとした辛みが特徴的で、現在は1年を通していつでも入手が可能な野菜となりましたが、実は3月~5月が最も美味しく食べられる、まさに今が旬の食材なのです。ステーキなどの付け合わせや、料理に彩りを出すために使用されることの多いいわゆる脇役的な食材ではありますが、クレソンに含まれる栄養素はハリウッドスター並みの超優れものなのです。

本日はそんなクレソンに含まれる栄養素や健康効果について、詳しくご紹介しようと思います。

全米ではトップクラスのクレソン

冒頭でも紹介しましたが、クレソンはヨーロッパ原産の野菜であるため、欧米諸国では古くから親しまれてきた野菜です。古くから親しまれているということはそれなりの栄養素が裏付けとしてあり、クレソンには主にカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維など、現代人が意識していても不足しやすい栄養素が豊富に含まれています。

2014年にアメリカ疾病予防管理センターが健康に重要とされる栄養素についてスコアを作成、それを基に「栄養素の高い果物と野菜トップ41」を発表しましたが、クレソンんはその中でなんと100点満点のスコアを獲得しているのです。トップクラスのスコアを獲得した背景には上記で紹介したビタミン・ミネラル以外にも、体内での解毒効果を高める作用や強い抗がん作用が認められている「グルコシノレート」や、「アリルイソチオネート」と呼ばれる血栓予防に働く物質が含まれていることも影響しているのでしょう。

食べるとピリッとした辛みが口に広がる感じがあるクレソンですが、これは「シニグリン」と呼ばれる抗酸化成分の影響で、食欲増進効果や胃の中で食物の消化を助ける働きが認められています。

さらに、このシニグリンには抗菌効果もあるため、お弁当などに一緒に入れることで彩りだけでなくお弁当を菌から守る役割も果たしてくれます。

ちなみに、我々に馴染みの深い野菜だと、ブロッコリースプラウトなどにグルコシノレートが、大根などにはアリルイソチオネートが含まれています。

調理次第でアレンジ可能に!

クレソンの持つ独特な香りや辛み、その辛みが良いアクセントとなって料理の味をより一層引き立てるものではありますが、その独特な辛みが苦手と感じる方ももちろんいらっしゃるのではないでしょうか。クレソンをお食べになられたことのない方のために筆者の拙い文章で精一杯味をお伝えしますと、「唐辛子や山椒のような辛みとはまた違い、どちらかと言えばカイワレ大根のような味」に近いです。

そんなクレソンの香りや辛味ですが、実は加熱調理で辛み成分に関してはほとんど無くなります。炒め物などにすれば辛みが飛び香りも爽やかになるので、苦手な方は一度火を通してからお食べ頂くと良いでしょう。

また、クレソンに含まれる栄養素をなるべく壊さず摂取したいという方は、サラダと一緒にあえて和風ドレッシングなど一緒にお召し上がり頂いても良いかと思います。

ついつい脇役として考えられがちなクレソンですが、持っている栄養素は一級品、是非とも健康のためにご活用ください!