新型コロナウイルスの猛威が一向に止まりを見せない昨今ですが、コロナウイルスの感染予防を思って外出を自粛する高齢者に対し、違う角度から新たな脅威が迫っていることを皆さんはご存知でしょうか?

新型コロナと自粛が招いた運動機能の低下

その脅威と言うのが、ロコモティブシンドローム、通称「ロコモ」と呼ばれるものです。ロコモティブシンドロームとは、英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」からつくった言葉で、移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態を指します。(日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト引用)

コロナウイルスから自身と周りの人の健康を守るために外出を自粛した結果、普段行う日課の散歩やゲートボールなどのスポーツを行う頻度がグッと減ってしまい、結果として脚腰が弱まり筋量が低下、何気ないところでつまずきやすくなるなどの弊害が生じやすくなるのです。

「ロコモ」の悪化を防ぐために

自粛ムードで外出ができないからと言って、自宅で何もしないのはナンセンスです。日課やストレス発散の為に行っていた運動が出来ないことは確かに大きなストレスとなるでしょうが、この自粛期間に弱まった筋力を取り戻すのは簡単なことではありませんし、足腰が弱まって結果的に致命的な怪我となれば、外出自粛が解除された後の楽しみもストレスとなってしまいます。まずは自宅で出来るような運動から始めてみましょう!

自宅で簡単スクワット!

使用するのは皆さんの身体と自宅にある椅子のみです。背もたれのある椅子に深く座り、「前へ習え」の状態で腕をピンと伸ばします。その状態からグッと立ち上がってみましょう。問題なく立ち上がれたら、元の状態に戻るようにして椅子に座ります。たったこれだけですが、下半身の筋肉をバランス良く鍛えることが出来るのです。7回連続で行ったら1分休憩し、それを2セットやってみましょう。

  1. 背もたれのある椅子に深く腰掛ける
  2. 「前へ習え」のように腕をピンと伸ばす
  3. 2の状態のまま立ち上がる
  4. もう一度椅子に深く腰掛ける

自宅で簡単ウォーキング!

ウォーキングと聞くと家の中を歩き回るような感じがしますが、今回はその場で行う簡単なものです。ここで意識するのは太ももをいかに高く上げられるかです。年齢を重ねるとなんでもないところで躓くようになると言いますが、それは「脚が上がっていない」のが原因であり、多くの場合腸腰筋という脚を上に持ち上げる筋肉が弱まっていることが原因とされています。テレビを見ながらなど、何かしながらで大丈夫ですので、その場で足踏みを2分間、1分の休憩を挟んで合計5セット行ってみましょう。

  1. 周りにものが無いことを確認する
  2. 太ももを高く上げるイメージでその場で足踏み
  3. フラフラしてしまう場合は何かにつかまってもOK

おわりに

今回は新型コロナウイルスの影に潜む脅威「ロコモティブシンドローム」について皆さんにご紹介しました。あなたとあなたの周りに外出自粛で運動不足でお悩みの方がおられるようであれば、是非とも気にかけて頂けると幸いです。