発症した人がその後25%の確率で再発するとも言われる「ぎっくり腰」ですが、皆さんは経験がありますでしょうか?かく言う私は学生時代はラグビー部に所属しておりましたが、当時は2年に1回程度のペースでぎっくり腰に悩まされておりました。今でこそトレーナーという経験を経て身体の仕組みに精通することができたため、あの何とも言えない痛みに頭を悩ますことも無くなりましたが、今現在もぎっくり腰に悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。

今回は、突然のように襲ってくるぎっくり腰について、発症の原因とその対処法、再発防止のために行うセルフケアまで、元トレーナーの私がご紹介します。

そもそもぎっくり腰はどうして起こるの?

自分はぎっくり腰には無縁!」と思っている方は、要注意です。ぎっくり腰は老若男女関係なく、誰にでも起こり得る最悪のサプライズと言えるでしょう。ぎっくり腰の正式名称は「急性腰痛症」と言い、欧米諸国では「魔女の一撃」とも呼ばれます。経験済みの方なら、魔女の一撃がしっくりくるのではないでしょうか。

冒頭部分でもあるように、私自身、学生時代(年齢的に若い)にラグビーをしている(運動不足ではない)にも関わらず、ぎっくり腰に悩まされることが少なくありませんでした。

つまり、ぎっくり腰の原因は人によって様々であり、骨のゆがみ・腰の筋肉の脆弱化・過度なスポーツによる筋肉負荷など多岐にわたります。いずれにせよ、腰に異常なストレスがかかっているときに発症します。

ぎっくり腰になった時の対処法とは?

発症直後はあまりの痛さにビックリし、一定時間はアドレナリンにより移動が可能なことが多いですが、やがてすぐに動けなくなるでしょう。ベストはお近くの治療施設などで針治療や電気治療をすぐに受けるのが良いでしょうが、今回は動けなくなってしまった方のためにも自宅で出来る方法をご紹介します。

発症直後の対処法

  • 膝を軽く曲げて横向きに寝る
  • あおむけに寝て、ひざを軽く曲げ、膝の下にクッションを入れる
  • あおむけに寝て、低めの台に両脚を乗せる

といったように、出来るだけ腰に負担のかからない姿勢で横になることが大事です。発症直後というのは患部から炎症物質が出ており、このタイミング無理に動かしてしまうと、炎症が酷くなり痛みが増したり治りが遅くなることがあります。

発症後2~3日からの対処法

発症直後に比べて痛みも少し落ち着きが見える段階ですが、この段階が非常に大切になってきます。かつては、この段階でも安静にしておくのがベストであると考えられていましたが、ずっと動かないでいると、腰痛に深い関わりを持つ「背筋」が衰えてしまい、結局回復が遅れてしまうということがわかってきました。

したがって、発症から2~3日後に痛みがやわらいだころから、無理ない範囲で動かせる部位は積極的に動かすようにしましょう。

ぎっくり腰の再発を予防するには?

ぎっくり腰は平均して1週間程度で痛みがなくなり、発症前の状態に戻ることがほとんどですが、約1/4人は1年以内に再発するというデータが存在するのですから、放ってはおけないですよね。

  • 無理な姿勢に注意する
    代表的なものに前屈みのような姿勢がありますが、荷物を持つ際には上体ではなく腰を落とす意識を忘れないでください
  • 肥満に要注意
    ぎっくり腰の発症は人によって様々とお話しましたが、肥満は発症の確立を上げる要因の一つと言えるでしょう
  • 適度な運動を忘れずに
    痛みがなくなって完治した後の話ですが、適度に身体を動かすことは、腰を労わるという意味でも非常に効果的です

おわりに

今回は「ぎっくり腰」に関する豆知識について、トレーナー目線でご紹介しました。何度もお伝えしていることですが、ぎっくり腰は年齢・性別・運動の有無など一切関係なく誰にでも起こり得るものです。なってからでは遅いですので、事前の予防、再発の予防を怠らないようにしましょう。