皆さんは「ケフィア」という食べ物をご存知でしょうか?

ブルーベリーやチアシードと言った「スーパーフード」に数えられるこの食材、名前は聞いたことがあってもまだ食べたことは無い、栄養成分や健康効果までは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

見た目や成分からヨーグルトと混同して見られがちなケフィアですが、今回はケフィアのもつ効果や効能・ヨーグルトとの違いなど、知れば食べたくなる情報をご紹介させていただこうと思います。

そもそもケフィアとは?

ケフィア(ケフィール)とは、ロシアの南西部、コーカサス地方で伝統的に食べられてきた発酵乳です。 牛や山羊など動物の乳を発酵させてできたもので、製造過程も非常にヨーグルトに似ています。

しかし、ヨーグルトと違う点がケフィアは乳酸菌だけでなく酵母(イースト)も含まれているということです。お酒の発酵やパンを膨らませる時に使われる「酵母」ですが、独特の香味成分や炭酸にも似たシュワっとした口当たりを生むことから、ヨーグルトにはないケフィア特有の味を完成させています。

そんなケフィアですが、実は元々食べようとして作られた食材ではなく、いつの間にか自然のうちに誕生したものだという風に言われています。

これは、日本の納豆の起源ととても良く似ていますね。

ケフィアとヨーグルトの違いとは?

前述でケフィアとヨーグルトの製造過程が似ているという風にご紹介しましたが、製造過程の中で行われる発酵メカニズムに大きな違いがあります。

酵母による違いは前述の通りですが、ヨーグルトは単独発酵といわれる乳酸菌1~2種類のみの働きによって発酵するのに対し、ケフィアは共生発酵といわれる複数の乳酸菌と、酵母によって発酵します。

ケフィアもヨーグルトも食品上の分類は同じ発酵乳ですが、ケフィアは乳酸発酵と、酵母によって行われるアルコール発酵の2つの発酵によってつくられる発酵乳であるということがわかります。

ヨーグルトは乳酸菌1~2種に対し、伝統的なケフィアは乳酸菌が約30種類酵母が約25種類と多くの菌によってつくられているのです。

ケフィアに含まれる栄養素とは?

ヨーグルトと比べて非常に粘り気の強いケフィアですが、これはケフィアに含まれる微生物が作り出す物質が影響しています。

乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)」によって精製される粘性の多糖類ケフィランが粘り気の原因であり、ケフィランには血圧の上昇を抑えたり、血中のコレステロール値を下げる役割、免疫機能の向上、血糖値の低下、肝機能の向上など健康上嬉しいメリットが多く存在します。

※乳酸桿菌とは乳酸菌の一種であり、カゼイ菌やブルガイカス菌などが乳酸桿菌に分類されます。

また、ビタミンB群やビタミンA、乳酸やカルシウムなど多種多様な栄養素を含みます。

ケフィアのもつ健康効果とは?

  • 動脈硬化を予防する
    動脈硬化の原因でもるコレステロール値の上昇や中性脂肪の蓄積を予防する乳酸菌が豊富に含まれます。ケフィアの乳酸菌は胃や腸で死滅することで「死菌」となり、十二指腸の中で「胆汁酸」を吸着し体外へ排泄する働きを持ちます。通常、胆汁酸は脂肪の吸収・消化の役割を終えると再び肝臓に貯蔵されますが、死菌によって体外に排出されることで新しい胆汁酸が作られます。その胆汁酸の生成に必要となるのがコレステロールなのです。
  • 腸内環境を整える
    ケフィアには多くの乳酸菌や微生物が含まれていますが、「共生発酵」という複数の菌からできているケフィアは、通常のヨーグルトと比べて腸内環境を整える効果が高いという特徴を持っています。
  • 免疫機能の高める
    腸内環境を整えるということは、それに伴い免疫力が向上することを意味します。それは、腸が重要な免疫器官の役割を果たしているからだといえます。外部から侵入してくる細菌のほとんどは、食べ物と一緒に侵入するため腸に集まります。このため、腸内環境を整えるということは、免疫機能の向上にもつながるのです。

おわりに

今回はヨーグルト以上の健康効果を持つ「ケフィア」についてご紹介しました。

サプリメントなどで同等の効果を得ることも可能ですが、自宅で手作りが可能な食材でもあります。楽しみながら健康な身体を手に入れることが出来れば、それほど嬉しいことはないですよね。

普段からヨーグルトを食べられる方も、そうでない方も、この機会に1度試してみてはいかがでしょうか。