昔に比べてあまり飲まれなくなった飲み物の一つに「甘酒」があります。
米麹、もしくは酒粕を原料に作られる甘酒は、特有の甘みや風味から好みが分かれる飲み物です。
しかし、その甘酒が近年注目を集めているのをご存知ですか?その高い健康効果から「飲む点滴」と称され注目を浴びているのです。
確かに、こうして注目を浴びるようになる以前から、甘酒は「夏の栄養ドリンク」として古くは江戸時代より夏の風物詩として扱われていました。
今回はそんな栄養満点の甘酒について、栄養成分や正しい飲み方などを抑えつつ、詳しくご紹介させていただきたいと思います。
そもそも甘酒とは?
甘酒とは、古くは神事の際に供え物やふるまい酒として作られてきましたが、江戸時代頃を境に庶民の間で広く飲まれるようになりました。冬の寒い日に身体を温める際や、夏の暑い日に滋養強壮ドリンクとして飲まれるようになった甘酒ですが、今では後者が一般的に広く浸透しているようです。
また、冒頭でも少し触れておりますが、甘酒は実は2種類存在します。
- 米麹を使ったもの
米麹と米、水を混ぜておよそ60度の温度で6時間かけて発行させる。
ノンアルコールであり、砂糖なども使用しないため、お米のふんわりとした甘みが味わえる。 - 酒粕を使ったもの
日本酒などを作る際に出る酒粕を水に溶かし、そこに少量の砂糖を加えて煮込む方法。
煮込みの過程で酒粕に含まれるアルコールはほとんどが飛びますが、微量のアルコールを含みます。
上記で紹介した2種類の甘酒ですが、「飲む点滴」と呼ばれる甘酒は前者の米麹を使ったもののことを指します。米麹で作った甘酒には、麹菌がデンプンを分解することで生まれるブドウ糖が豊富に含まれており、これが疲労回復に効果を発揮します。
甘酒の栄養成分とは?
- ブドウ糖
前述の通り、甘酒に含まれる「麹菌」がデンプンを分解することでブドウ糖を豊富に含みます。その他にも少量ではありますがビタミンB群やミネラル、アミノ酸などが含まれており、これらが飲む点滴と言われる所以です。
また、麹菌は腸内の善玉菌のエサとなり、免疫活動を活発にして免疫力を高める役割があります。 - 食物繊維/オリゴ糖
便秘解消や腸内を活発にしてくれる栄養素がセットで入っています。腸内の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やすことで腸内環境を整えてくれます。 - 酵素(麹菌)
麹菌に含まれる酵素には抗酸化作用があるため、肌や粘膜を正常に保つほか、活性酸素も活動を抑える役割があります。
甘酒の正しい飲み方とは?
いくら健康に良いとされる甘酒でも、飲み過ぎには注意が必要です。
適切な量は?
1回あたり、50ml~100ml(おちょこ1杯~コップ1杯)程度を1日2回、つまり、200ml程度を上限に飲むと良いでしょう。
甘酒の主成分がブドウ糖(糖質)であるため、カロリーはしっかり含まれます。糖分の摂り過ぎを防ぐためにも量には注意したいですね。
飲むタイミングは?
甘酒を飲むタイミングによって期待できる効果は異なります。
朝に飲めばブドウ糖が脳を目覚めさせ、代謝をアップさえてダイエット効果を高めてくれるでしょう。
昼に飲めばブドウ糖とビタミンB₁の相乗効果によってより代謝を活発にさせるだけでなく、脳を活性化させ仕事や勉強時の集中力がアップします。
夜に飲めば、甘酒の真骨頂でもある疲労回復の恩恵を最も得られることになるでしょう。就寝前に飲めば安眠効果も期待できます。
さいごに
今回は飲む点滴とも呼ばれる「甘酒」についてご紹介しました。
米麹と酒粕、原料になるものが違うだけで期待できる効果も大きく変わってきますので、健康上のメリットを求める方は是非とも前者をお選びいただければと思います。