カルシウム」と言えば牛乳を思い浮かべる方が多いと思いますが、牛乳に含まれる栄養素はそれ以外にも沢山あります。「完全栄養食品」ではないものの、たんぱく質や脂質、炭水化物にビタミン・ミネラルなどがバランス良く含まれています。

昔から小学校などの給食でも出されることが多かった牛乳ですが、その理由は成長期の子どもにとって欠かすことの出来ない栄養素を豊富に含む牛乳の相性が良かったからでしょう。

では、現在の「健康ブーム」の中、生活習慣病やその他疾患の予防・改善に意識を向けなくてはならないような50代・60代の方には、健康上どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は牛乳の持つ栄養成分、健康上のメリットを抑えながら詳しくご紹介させていただきたいと思います。

牛乳のもつ栄養成分とは?

完全栄養食ではないにしても、牛乳には多くの栄養素が含まれます。

その中でも主要な栄養成素をご紹介します。

  • カルシウム
    カルシウムが不足すれば、カルシウムが構成するもの、つまり歯や骨が脆く、弱くなってしまう原因となりますが、コップ一杯分(およそ200ml)で1日に必要なカルシウムの約1/3の量を摂ることが可能です。また、心臓、筋肉や神経の働きを調節したり、血液の凝固やホルモンの生成など、生命活動を支える重要な働きもしています。また、イライラしやすい方にも効果的です。
  • たんぱく質
    20種類のアミノ酸から構成されるたんぱく質ですが、牛乳には9種類の必須アミノ酸を含むすべてのアミノ酸がバランスよく含まれており、アミノ酸スコアは100の良質なたんぱく質です。髪の毛・骨・内臓・皮膚など我々の身体を構成する上で欠かすことの出来ない栄養素となります。
  • 脂質
    牛乳に含まれる脂肪は「飽和脂肪酸」と言います。アボカドなどが持つオレイン酸やリノール酸といった、いわゆる「身体に良い油」とは異なりますが、こちらも大事な栄養素です。過剰に摂取することは各疾患の発症リスクを助長するという研究結果が出ているものの、摂取量が少なすぎてもいけません。とは言うものの、コップ一杯分中に含まれる脂肪量は決して多くなく、牛乳が原因でコレステロール値の上昇y肥満に繋がるとは考えにくいでしょう。
  • ビタミン類
    脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・K、水溶性ビタミンのビタミンB₁・B₂・ビオチンB₁₂・ナイアシン・パントテン酸・葉酸などが含まれており、様々な健康効果が期待できます。ビタミンAには活性酸素の発生を抑える「抗酸化作用」があり、身体の細胞を若く保つ役割があります。また、ビタミンB2には細胞の再生や脂肪の代謝の促進といった機能があり、肌を健康的に保ってくれたり、肥満の予防にもなるでしょう。固形物ではないことから容易に摂取が可能ですので、幼児や高齢者といった栄養素が不足しやすい、または栄養素が偏りやすい年代の方にも最適な食材です。

日本人は慢性的なカルシウム不足!

我々日本人の食生活では、全世代でカルシウムが不足していると言えます。厚生労働省が定める1日当たりのカルシウムの推奨摂取量は18歳以上の男性で800mg、女性でも650gとなっていますが、実際の平均摂取量は男性で520mg、女性で509mgと推奨量を大きく下回っています。(参考:厚生労働省「国民健康・栄養調査(2019年)」

忙しく働く日本人はそれ相応のストレスも抱えることでしょう。前述の通りカルシウムの不足は日頃のイライラにも繋がるため、1日1杯、継続して牛乳を飲むことが大切です。

おわりに

今回は昔から馴染みの深い食材である「牛乳」についてご紹介しました。

昔は飲んでいたけども、最近は飲まなくなったという方も多いように感じますが、飲めば嬉しい健康上のメリットも多い食材です。

1日1杯、朝食にプラスすることで必要な栄養素を補うことが出来るので、是非とも意識していただきたいです。