我々日本人が魚を食べることは何ら普通のことであり、日々の食卓のメインディッシュとして、はたまたお酒のお供として当たり前に存在しています。

しかし、海外(特にアメリカやヨーロッパ)では「魚を食べる」ことは、とりわけ「健康食」を食べることとして認識されています。これは、これまで刺身などの海鮮料理を食べてこなかった文化に魚の持つ健康上のメリットが広く浸透してきている証拠でもあります。

今回はそんな「」について、詳しくご紹介させていただきます。

魚を食べるメリット

肉や卵、乳製品と同様に「たんぱく質」が摂れることは言うまでもありませんが、それ以外のも健康上身体に嬉しい栄養素が沢山存在します。

魚に含まれる脂肪分は牛や豚などの肉類に比べると比較的に少ないです。魚に含まれる脂肪分が平均して10%程度なのに比べ、牛は20%、豚は30%と魚を食べるだけで余分な脂質の摂取を抑えることができます。

その10%の脂肪分も「不飽和脂肪酸」という身体に良いとされる脂質です。魚に含まれる不飽和脂肪酸は「オメガ-3系脂肪酸(EPAやDHA)」と呼ばれ、主にコレステロールの合成を防ぐことで体内のコレステロール濃度を低めてくれる役割のほか、血液をサラサラにしたり動脈硬化を予防してくれます。

また、心筋梗塞、脳卒中、認知症、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の予防に期待の持てる素晴らしい栄養素です。

これだけ素晴らしい栄養素ですから、出来れば無駄なくしっかり摂取したいと思いますよね?

しかし、調理の方法や過程で魚の油というのは少なからず減少してしまうのです。

例えば焼き魚、鮭の塩焼きを思い浮かべてみて下さい。皮に脂肪分を多く含む鮭ですが、加熱することによりグリルやフライパンに多量の油が出てくるのが分かるかと思います。

ですが、刺身で食べる分には不飽和脂肪酸の減少を回避することが出来ます。そもそも刺身とはたんぱく質18~20%、水分70%、脂肪と無機質(ヨード、カリューム、燐)、ビタミンなどで構成されているのですが、含まれる栄養素をそのまま摂取できるというメリットがあるのです。

この他にも、サバの缶詰などの缶詰商品も同様に含まれる栄養素を余すことなく摂取することが可能です。缶詰は密封状態で保存されているため、酸化による変性を食べる直前まで防ぐことができます。

 

魚に含まれる栄養素

タンパク質

魚には肉と同様の良いタンパク質が含まれています。肉より魚の方が消化されやすいタンパク質が多く、子供からお年寄りまで無理なく食べることができます。

カルシウム

小魚は牛乳以上にカルシウム補給としてオススメです。また、そのまま食べることにより、カルシウムの吸収をよくするビタミンD(内臓に含まれている)も同時に補給できます。

タウリン

貝やタコにはタウリンがたくさん含まれています。タウリンは肝機能を高める働きがあり、肝臓から分泌される胆汁酸は、コレステロールを排出させます。

EPA

魚介類だけに含まれている栄養素で、脳血栓や心筋梗塞などの成人病を予防する働きがあります。血液や血管の健康に様々な効果があります。

DHA

血液をきれいにし、さらに脳細胞をつくる栄養素で、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。また、高齢者の痴呆症などの治療にも効果があります。

まとめ

今回は海外では「健康食」としての認知も広がっている魚の栄養についてご紹介しました。

我々日本人には馴染みの深い食材たちではありますが、調理の面倒くさからついつい肉ばかり食べがちになっていませんか?

魚を食べることでしか得られない大事な栄養素もありますので、意識的に摂取したいですね。