たんぱく質・脂質・糖質、これらは「三大栄養素」として我々の身体を形成したり日常生活をスムーズに過ごすうえで欠かせない重要な栄養素です。

では、ビタミン・ミネラルはどうでしょうか?先に挙げた三大栄養素に比べると重要度はそこまで高くないようにも感じますが、それは大間違いです。三大栄養素にビタミン・ミネラルを足して「五大栄養素」と呼ばれる程重要な栄養素であり、我々人間だけでなく動物全般にとって欠かせないものとなります。

その中でも、今回は「ビタミン」、中でも60代を過ぎてくると不足しやすいビタミン群についてご紹介します。

そもそもビタミンとは?

ビタミンを英語にすると「Vitamin」となりますが、「Vita(ビタ)」には「生命」や「活力」といった意味合いがあり、言葉そのものが身体にとって大事であることを表してます。

冒頭でも説明した通り「たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル」と五大栄養素に数えられるように、人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素の一つであります。

そんなビタミンの働きですが、身体の中では主に三大栄養素の代謝を助ける働きをしております。たんぱく質や脂質が「多量栄養素」と呼ばれるのに対し、ビタミン・ミネラルは「微量栄養素」と呼ばれます。たんぱく質・脂質・糖質のように体内で吸収されて直接のエネルギー源となる訳ではありませんが、人間の身体を車に例えるなら多量栄養素がガソリンとなり、ビタミンやミネラルはエンジンオイル、つまり「潤滑油」のような働きをしてくれるので、なくてはならない存在なのです。

微量」これは摂取するべき量が微量であることを指しますが、我々は体内でビタミンを作ることができないため、食事やサプリメントなど身体の外から摂取する必要があります。

ビタミンは「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」と大きく二つに分けることができます。

〇水溶性ビタミン

  • ビタミンB₁
  • ビタミンB₂
  • ビタミンB₆
  • ビタミン₁₂
  • ビタミンC
  • 葉酸
  • ナイアシン
  • ビオチン
  • パントテン酸

〇脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

60代に不足しやすいビタミン

〇ビタミンD

高齢期に突入する60代の方々のビタミン不足で最も知られているビタミンです。

カルシウムの調節や筋肉の形成に関わり、骨密度を高めて骨を上部にしたり、筋量や筋力を向上させる働きがあります。また、神経伝達物質としてうつ病やアルツハイマー病、パーキンソン病との関係性もあると考えられています。

〇ビタミンC

皮膚や骨、血管の強度を保つ役割があるコラーゲンですが、これらのコラーゲン繊維を作るにはビタミンCが必要です。ビタミンCが不足すると、身体の中のビタミンCが欠乏し、全身の倦怠感や疲労感、食欲不振などの症状が現れます。

また、ビタミンCのもう一つの働きとして「抗酸化作用」があります。体内で発生した活性酸素等をスムーズに取り除く役割があります。これは、「老化防止」にも繋がると言えるでしょう。

身体の中のビタミンCはただ単に消費されるだけでなく、尿としても排出されるため、意識して摂る必要があるでしょう。

おわりに

今回は不足すると良くないビタミンの中でも「60代から不足しやすい種類」をピックアップしてご紹介しました。我々人間は体内でビタミンを生成できないというのは既にご紹介しましたが、裏を返せばほぼすべてのビタミンが食事から補うことができるのです。

毎日好きなものだけに拘って食事していると、摂れる栄養素に偏りが生まれるのは当たり前のことです。

しかし、彩りや食べ合わせをほんの少し意識するだけで食事の見た目も中身もとても豊かになるだけでなく、それらはあなたの身体のなかで消化・吸収されてあなた自身の生活を豊かにしてくれます。