ほうれん草の基本情報

ほうれん草はヒユ科の緑黄色野菜です。原産地はペルシャ(現在はイラン)で、中国語でペルシャを「ほうれん」と呼んでいたことが、日本語名の由来です。品種が多く、原産地のペルシャから伝えられたルートにより、大きく東洋種と西洋種の2種類に分けられます。伝えられたそれぞれの土地や環境、親しまれ方などが影響し、幅広く種類が増えました。

  • 東洋種
    ペルシャから中国方面に伝えられた品種で、日本にもこの品種が伝えられました。深い切れ込みを持つ葉は、薄くて柔らかく、根が赤いという特徴があります。アクであるシュウ酸が少なく、葉ざわりも良いことで知られます。
  • 西洋種
    ペルシャからヨーロッパへ伝えられたとされている品種です。葉は肉厚で丸みがあり強いアクを持ちますが、トウ立ちと言って花茎が伸びにくいため味が落ちにくいといった特徴があります。
  • 交配種
    東洋種と西洋種の特性を生かして交配されたもので、丈夫で育てやすく、えぐ味が少ないため食べやすい品種です。
  • サラダほうれん草
    アクが少ないため、水洗いするだけですぐに食べることができます。葉の色は薄く、細く柔らかい触感をもつ茎が特徴的です。
  • ちぢみほうれん草
    寒気にあてて生育させる「寒じめ」と呼ばれる栽培方法で育てられることにより、強い甘みと厚い葉を持っています。葉の表面にしわが入り、縮れたように見える品種です。

ほうれん草に含まれる栄養成分と健康効果

ほうれん草には、「β-カロテン」や「ビタミンB群」、「ビタミンC」が豊富に含まれており、のどの粘膜の生成を助け、細菌感染を防ぐ働きを持つとして、風邪の予防に最適であるといわれています。ビタミンCの含有量はレモンの2倍もあり、鉄や葉酸も豊富に含んでいます。

また、ほうれん草は鉄分が多い野菜として有名ですが、実際に体内で吸収される量は2~5%と非常に少なく、この鉄を効率よく吸収するには動物性たんぱく質と呼ばれるお肉やお魚、卵など一緒に摂取するのが良いでしょう。

貧血予防に役立つ!

貧血を予防するには、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量を維持する必要がある訳ですが、ほうれん草にはヘモグロビンの材料となる鉄だけでなく、鉄の吸収を高めるビタミンCや、鉄と協力してヘモグロビンを形成する葉酸も豊富に含んでいるため、貧血の予防に関しては適任の野菜と言えるでしょう。

高血圧予防に役立つ!

塩分の高い食事を続けていると、血中のナトリウム濃度が高まって体内で水分の移動が正常に行われなくなり、高血圧を招いてしまいます。ほうれん草に含まれるカリウムには、余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、血圧を下げ高血圧を予防する効果が期待できます。

免疫力維持に役立つ!

ほうれん草に含まれているビタミンCやビタミンEには、免疫力を維持する働きがあるだけでなく、体内でβカロテンから変換されたビタミンAには喉の粘膜を強くするという働きがありあます。風邪を引きやすい今の時期、是非とも食べたい食材です。