「大好きだけど仕事の前の日は食べられない…」と食べるのを躊躇してしまう食材ランキング第一位の「ニンニク」ですが、この食材、ただ美味しいだけではないんです。

滋養強壮、新陳代謝の促進、様々なイメージが持たれるニンニクですが、実はこの食材がもつ栄養素、健康効果はそれだけではありません。聞けば毎日でも食べたくなるような嬉しいメリットを、今回は詳しくご紹介したいと思います。

ニンニクの基本情報

ニンニク(Allium sativum)はヒガンバナ科ネギ属の多年草です。香り(におい)がとても強く、滋養強壮や新陳代謝の促進効果があると言われ、根部分だけでなく、茎もニンニクの芽と呼ばれて野菜として調理されています。

日本だけに限らず世界各国で親しまれる食材であり、料理の付け合わせやスパイスとして、比較的目にすることの多い食材です。

古代エジプト時代には、ピラミッド建設の際に労働者に与えられたり、古代ギリシャでもこれから戦場に赴く兵士が持参する食料の中の一つであったことから、ニンニクの持つ高い滋養強壮効果がわかります。

また、ヨーロッパの吸血鬼伝説では、ドラキュラが嫌う食材にニンニクが挙げられており、魔除けとしても使われていたことがわかります。

ニンニクの栄養素と健康効果とは?

滋養強壮に効果がありそうなのは何となくお分かり頂けたかもしれませんが、ニンニクの持つ健康効果はそれだけではありません。また、一体ニンニクの何が滋養強壮にいいのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

アリシン(アリイン)

にんにく特有のにおいのもとは硫化アリルの一種「アリイン」という物質です。最初は水溶性であり、細胞内にてアリインの形で存在していますが、調理の過程で細胞が破壊されて酵素と反応することで「アリシン」に変換されます。このアリシンがビタミンB₁の吸収を促進することで、疲労回復や滋養強壮などの効果を発揮しています。

また、アリシンには殺菌作用もあります。体内に入ると、カビやピロリ菌のたんぱく質と結合することで殺菌してくれる効果が認められていますが、逆に摂り過ぎには注意が必要です。硫化アリルは過剰に摂取することで胃の粘膜を傷つけてしまう恐れがあるため、腹痛の原因になりかねません。体調が悪い時や胃が荒れ気味の時に滋養強壮効果を期待してニンニクを食べ過ぎてしまっては、返って逆効果になり得ませんので、ご注意ください。

ビタミンA

ニンニクと聞くと一見白い根の部分だけを想像しがちですが、先ほど少し紹介したようにその上にある花茎の部分、にんにくの芽にも大事な栄養素がしっかりと含まれています。その中でもビタミンAの含有量は多く、発育の促進や目の健康を保ったり、皮膚を正常に保つ働きがあります。

また、暗所での目の慣れに寄与していたり(視覚の暗順応)、鼻やのどの粘膜に働いて細菌から身体を守るなどの役割があります。

ビタミンC

こちらもニンニクとの芽の部分に多く含まれる栄養素であり、肌を正常に保つ役割があるコラーゲンの生成に欠かすことの出来ないビタミンです。

また、ビタミンCには風邪などの予防効果もあり、免疫力を維持する上で非常に大切な栄養素ですね。

おわりに

今回は、好きな人は多いけど口臭などの原因になることから敬遠されがちな「ニンニク」についてご紹介しました。確かに食べた翌日のケアは必要になってきますが、古くからずーっと愛されてきた食材なだけあって、その栄養素や健康効果についてはお墨付きをもらっているようなものです。

毎日とは言わずとも、定期的に食べることでいつまでも若く、元気で健康な身体を維持できると良いですね!