ストレス解消のために皆さんが行っていることは何でしょうか?
運動、休養、睡眠、様々な分野で「ストレス解消」のための対策や知恵がありますが、今回は元パーソナルトレーナーの私が「栄養」の面から日々のストレスの解消に役立つ知識として、「GABA」をご紹介したいと思います。
GABAの基本情報
GABAとは、アミノ酸の一種であり、高いリラックス効果が認められている成分です。正式名称を「γ-アミノ酪酸(gamma aminobutyric acid)」と言い、脳内の興奮を鎮め、心を落ち着かせる働きがあります。
また、血圧降下作用もあることから、高血圧から引き起こされる脳卒中などの予防にも寄与するという報告があります。
このGABAの働きについてですが、近年はコンビニやスーパーでもその存在を簡単に確認することが出来るでしょう。一番身近なもので言えば、「チョコレート」ではないでしょうか。
GABAの主な働き・効果
前項でもある通り、GABAには高い「リラックス効果」があります。興奮状態にある脳は、神経の高ぶりから引き起こされるものですが、その神経に直接働きかけることで興奮を抑えます。
具体的には、運動時に分泌されるようなアドレナリン、日常の生活で感じるストレスに応じて分泌されるコルチゾールに対し、それらの分泌を抑える役割を持っているのです。
また、GABAは睡眠の質にも関わることが分かっています。寝つきが悪い、睡眠が浅いなどの悩みを抱える方の多くが、睡眠前に強いストレスを抱えていることが分かっておりますが、その要因は様々です。ベッドに入ってから携帯で動画等を閲覧することで脳が活性化してしまったり、仕事中にミスをしてしまったことを引きずっていたり、はたまた夕食後に運動をした結果、脳の興奮状態が続いているなどなど…。
そんな睡眠の質を低下させる要因は多種類ありますが、「GABAには興奮状態を抑える」という働きがあるため、睡眠時にも同じように働いてくれるのです。
もう一つ、GABAには高血圧を予防する働きが認められています。
血圧が高い状態が長く続くと、動脈硬化や脳卒中などのリスクが高まることはご存知の方も多いと思いますが、腎臓の働きを促進し、血圧の上昇の要因でもある「塩分」の排出を高める働きがGABAにはあります。
さらに、このGABAの凄いところは、正常血圧の状態では何も起こらず、高血圧状態の時にのみ血圧降下作用が働くという点です。つまり、正常血圧の方がGABAを摂取することで低血圧になるという懸念が無いのです。
GABAを多く含む食品
GABAは機能性表示食品でもあるため、チョコレートなどの市販される商品でしか摂取が出来ないというイメージの方も多いかと思いますが、機能性表示食品である前にアミノ酸ですので、もちろん食材中にも含まれています。
GABAを多く含む食品としては、発芽玄米や漬物、味噌やキムチなどが挙げられるでしょう。
特に発芽玄米は多くのGABAを含んでおり、その量は白米や玄米の数倍です。ご紹介した食品を見る限り、発酵食品にも多く含まれていることが分かるかと思いますが、我々日本人の食生活はGABAを摂取するには最適だと言えますね。
さいごに
今回は、アミノ酸の一種でありながら、機能性表示食品でもある「GABA」についてご紹介しました。メディアの影響もありチョコレートのイメージが強い成分であるため、意外と身近な食材にも含まれていることを見落としがちですが、そんなことはありません。
コストもかからず入手も簡単な食品ばかりですので、この機会に試してみてはいかがでしょうか。