「自分は特に病気もしていないから大丈夫」「健康診断で何も言われていないから心配ない」と考えている皆さん、それ本当にあっていますか?

皆さんがパーソナルトレーナーを付けて週に2回~3回適度に身体を動かし、管理栄養士の指導の下適切な食事を摂取し、お酒もタバコも一切しない上で「自分は大丈夫です」と仰るなら、私も首を縦に振るかもしれません。

しかし、上記のようなケースは極めて稀であり、今健康なのも明日になれば実際のところは分かりません。先天性の疾患や事故など外傷を除けば、多くの病気はその人の日常の生活や環境からの影響が大きいと言えるでしょう。

そんな中で、1日のエネルギー量は足りていても、必要な栄養素が足りていない「栄養失調」の状態に陥る人が近年急増しています。

今回はそんな「現代型栄養失調」について、取り上げたいと思います。

現代型栄養失調の特徴とは?

皆さんは栄養失調と聞くと、他国の貧しい地域などで食べるものが十分になく、ゲッソリとやせ細った子どもの姿を想像されるのではないでしょうか?これは、身体の発育や生命を維持するために必要なカロリーと栄養素が十分に摂取出来ていない状態です。

対して、冒頭でもあるように、食事からの摂取カロリーは十分に摂れているにも関わらず、必要な栄養素が摂取出来ていない状態を現代型栄養失調という風に呼びます。つまり、糖質と脂質の摂り過ぎに対してたんぱく質やビタミン・ミネラルといった栄養素が不足している状態を指します。

たんぱく質には肌や臓器を作る役割があり、ビタミン・ミネラルにはたんぱく質や糖質、脂質の代謝を促す作用が備わっており、どれも無下に扱うことは出来ないのです。

しかし、我々現代人は「美味しいから」「忙しいから」という理由で上記の大事な栄養の摂取を疎かにしがちです。

どのような食事がいけない?

糖質はご飯・パン・麺類だけでなく甘いスイーツやお菓子、(スポーツドリンクを含む)ジュースや各種調味料にも多く含まれています。脂質は一見すると「油」だけを連想する方も多いかもしれませんが、我々の生活のどこにでも潜んでいます。ラーメンのスープ、カレーのルー、洋菓子の原料にマヨネーズ、お肉の脂などなど…。

また、忙しいという理由から出来るだけ簡単に食事を済ませたい方に多いのが、おにぎりやサンドイッチ、インスタント食品などの麺類だけで済ませてしまう「たんぱく質抜き」のパターンです。

たんぱく質は他の栄養素と違って余った分を体内に蓄えておくことが出来ないため、毎日摂取することが大事です。「昨日焼肉でしっかりお肉を食べたから今日はたんぱく質は摂らなくても大丈夫」とお考えの方、それは違います。昨日お肉をしっかり食べたなら、今日は魚をしっかり食べましょう。様々な食品からたんぱく質を摂取することは違ったビタミンやミネラルを摂取するいい機会なのです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?飽(豊)食大国である日本では栄養失調なんて縁のない話と思われている方もおられるかもしれませんが、我々現代人は確実に栄養失調への道を辿っています。

近い将来、この現代型栄養失調は大きな問題となるでしょう。そうならないためにも、日々の食事を意識し、一人でも多くの方に知って頂けると幸いです。