皆さんは「体脂肪率」を意識されたことはありますでしょうか?

ダイエットをする際、「〇kg減った」というような事をよく聞きますが、果たしてそれは正解なのでしょうか?

というのも、ダイエットにおいて最も減らすべきものは「体脂肪」、つまりお腹や二の腕のたるみの原因をいかに減らせるかがカギとなります。

しかし、近年のダイエットブームに乗じて間違ったダイエット方法や知識が数多く出回り、昔に比べてダイエットに関する情報が得られやすくなった分、それだけ間違った情報に触れやすくもなってしまいました。

そんな間違った情報を基に我流でダイエットに取り組まれた結果、最も多い失敗が体脂肪と一緒に「筋肉量(骨格筋量)」まで減らしてしまうケースです。

本来、年齢を重ねるにつれて減少傾向にある筋肉量は、減らすどころか出来れば増やしていかなければなりません。筋肉量を増やすことで基礎代謝をアップさせ、太りにくい健康的な身体を維持することが可能となるのです。ひいては、フレイルやサルコペニアといったそう遠くない将来の病気を予防することにもなります。

つまり、ダイエットを行う上で60代の皆さんが意識しないといけないのは、体重計に乗った時の純粋な身体の重さではなく、自身の身体の「どれくらいが筋肉で、どれくらいが体脂肪なのか」ということです。

中でも今回は、「体脂肪率」に的を絞ってご紹介したいと思います。

体脂肪率とは

体脂肪率とは、身体の占める脂肪の割合がどれくらいなのかを%で表した数値になります。

また、体脂肪率は次の計算式を使ってご自身で求めることも可能です。

体脂肪率(%)=[体脂肪量(kg)÷ 体重(kg)]×100

しかし、上記の計算式を見てもらうと分かるように、体脂肪率を計算で出すには「体脂肪量」を知る必要があるため、一般的にはご家庭にある体脂肪計や体組成計で出る数値を目安にされると良いでしょう。

ちなみに、体組成計などで体脂肪率を計測する場合、体組成計が正確な体脂肪の量を計っているわけではなく、「筋肉は電気を通しやすく、脂肪は電気を通しにくい」という性質を利用して体内に微弱な電流を流すことである程度の大まかな脂肪の量を推定しているのです。使うメーカーによって数値にばらつきがあるのはこのためです。

体脂肪率の位置づけ

体脂肪率が低ければ健康的である」とは一概に決めつけることはできません。

身体の中で体脂肪が担う役割は様々で、エネルギーを蓄えたり、体温を維持する機能、ホルモンバランスを正常にコントロールするなど多岐に渡ります。

決して低ければ低いほど良いではなく、あくまでも適正値を保つことが健康の秘訣となるのです。

下記に体脂肪率の適正地を男女別にご紹介しますが、これはあくまでも参考値であり、お使いの体組成計の各メーカーが出す基準値なども参考にされてくださいね。

男女別の体脂肪率の基準値

体脂肪率による肥満の目安

軽度肥満 中等度肥満 重度肥満
男性 体脂肪率20%以上 25%以上 30%以上
女性(15歳以上) 体脂肪率30%以上 35%以上 40%以上

上記の表を見ると、男性に比べて女性の方が標準の範囲がやや広くなているのが分かると思います。

これは、女性の方が体脂肪率が低くなり過ぎた場合に生じるリスクが高まる可能性が多いからです。

さいごに

体脂肪率を基準値に保つことの重要性についてご紹介しましたが、体脂肪率を下げる方法は何もダイエットだけとは限りません。体脂肪率とは前述の通り身体の占める脂肪の割合がどれくらいなのかを%で表した数値ですので、体脂肪以外を増やすことでその割合を減少させることが可能です。

その代表例として、トレーニング、つまり筋肉量を増やすことが望ましいと言えるでしょう。こちらも冒頭で触れましたが、筋肉量を増やすことで得られるメリットは何も体脂肪率を下げることだけに限らず、未来のフレイルやサルコペニアの予防にも繋がります。

是非ともこの機会に何か始められてはいかがでしょうか。