エストロゲンとテストステロンというのをご存知でしょうか?
エストロゲンとは卵巣から分泌されるホルモンのことで、発情の誘発や発育を促進させる作用があります。より平たく言えば女性ホルモンのことです。エストロゲンの値が高まると、テストステロンである男性ホルモンの値が抑制されてしまい、筋肉の合成が低くなってしまいます。
そのため筋肉の合成を常に高めたいのであれば、エストロゲンが高まってしまうのを日々の生活の中で取り除き、テストステロンを高めなければなりません。
具体的にどうすればいいのでしょうか?
エストロゲンが高まってしまう要因となるものは、実は日常のあらゆるところに潜んでいると言われています。殺虫剤や抗生物質、排気ガスや化学製品などなど・・・極端に言えば水道水にもエストロゲンの値を高める成分が含まれているとか
これらをすべて避けるのは不可能に近いでしょうし、いちいちエストロゲンに対して敏感になって生活を送るのは、ストレスがたまってしまいそれはそれで筋肉に対してよろしくないと私は思っています。
そこで提案したいのは日々の生活を変えることはなく、食事とサプリをうまく活用して、エストロゲンを抑え、テストステロン優位にする方法です。
今回はエストロゲンの抑制・テストステロンの促進に一役買う成分をまとめてみました。
①グレープシードエキス
グレープシードエキスを聞いたことのあるかたは少ないかもしれませんが、じつはグレープシードエキスにはエストロゲンを抑える作用が確認されています。。
グレープシードエキスはブドウの種子から抽出されたものでプロシアニジン・ダイマーズというポリフェノールの一種が豊富に含まれています。2006年の研究で、グレープシードエキスが体内で「アロマターゼ酵素」というテストステロンをエストロゲンに変換してしまう物質の作用を遮断する作用があります。ただ注意したいのが、実験対象が女性の場合が大半であり、男性のケースは少ないのが現状です。今後男性を対象とした研究がさらに進めばグレープシードエキスがトレーニング用のサプリメントとして普及されてくるかもしれません。
摂取量に関しては特に定まっておらず、研究によれば摂取すればするほどアロマターゼ酵素の作用を遮断すると言われているので、どんどん摂りたくなるかもしれません。しかし人によっては過度に摂取すると体調不良を訴えるそうなので、1日300mgを限度にしたほうがいいでしょう。
②インドール3カルビノール
インドール3カルビノールという成分もグレープシードエキスと同様に、アロマターゼ酵素の作用を遮断するという研究結果が報告されています。
インドール3カルビノールはブロッコリー、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜に含まれる成分です。この成分にはテストステロンの向上のほかにもガンへの作用についても研究されています。
摂取量は200~400mgが推薦されています。またインドール3カルビノールは安全な成分ではあるものの、過剰摂取により皮膚に赤みがおびたり、吐き気、震え、バランス感覚への異常が現れる場合があるのでご注意をお願いします。
②緑茶エキス
日本人に馴染み深い緑茶 フィットネスの世界ではダイエット・減量目的で緑茶エキスを活用している方も多いと思いますが、実はテストステロン生成の作用も報告されています。
緑茶エキスに含まれるポリフェノール、これがアロマターゼ酵素の作用を抑え、エストロゲン抑制につながります。ちなみに緑茶をわざわざ飲まなくても、サプリの摂取で作用が認められているため、手軽に飲むのであればサプリをおススメします。
サプリメントの販売は各サプリメント会社から緑茶エキスのタブレットが販売されているのでそちらを有効活用しましょう。ただ、カフェインが含まれているので敏感な方はご注意をお願いします。
③レスベストロール
赤ワインに含まれている化合物のレスベストロールには、多くの健康作用が確認されており、その中の一つがエストロゲンの抑制です。
ただレスベストロールを摂取しようと赤ワインを飲んでも、赤ワイン1杯に1mg程度しか含まれていないので、こちらもサプリメントを活用するのが現実的でしょう(アルコールの筋肉の影響の懸念もありますしね)
またレスベストロールに重大な副作用は認められてはいませんが、レスベストロールを摂取した女性の多くに乳がんや卵巣がんなどが多発したという報告がありました。そのため女性のレスベストロールの多量摂取は控えたほうがよさそうです。
摂取量に関しては、250mgを超えないこと。それ以上の摂取は基本的にしないように、また健康に不安のある人などは医師の指導の下に摂取することが良さそうです。
④亜鉛
牡蠣やレバーなどに含まれる亜鉛は筋発達に有用なサプリメントとして、古くから愛用されています。そしてこの成分もアロマターゼ遮断作用の報告があります。
亜鉛サプリメントを摂取すべき理由は、単にテストステロンの促進だけではありません。高強度の運動や、ストレスを感じると人は亜鉛が大量に消費されてしまうことが確認されています。サプリメントを有効活用しましょう。