程よく焼けた「小麦色の肌」は健康の証としてこれまで考えられ、少し前までは母子手帳にも日光浴の欄が設けられており推奨される程でした。

しかし、近年では多くの皮膚科医が「紫外線は百害あって一利なし」と口を揃えて言うようになるなど、日焼けによる紫外線の弊害が大きくとりただされるようになりました。

ついには母子手帳から日光浴の欄も姿を消し、出来るだけ無駄な日焼けは控えるような風潮が現在の状況です。

日焼け」もしくは「日光浴」が我々の健康にもたらす影響は一体どのようなものなのか、今回は意外と知らない日焼けの秘密についてご紹介させていただきます。

日焼けは〇〇のリスクを高める?!

日光浴」という風に言い方を変えれば一見見栄えも聞こえも良いように感じますが、その中身は「皮膚の火傷」です。我々が生活の中で浴びる紫外線のほとんどが太陽からの日光によるものですが、日焼けのメカニズムはとてもシンプルです。

紫外線には波長というものが存在し、その波長の長いものからA波、B波、C波に分類されます。人体には波長が短いものほど悪影響を及ぼすとされており、細胞の核となる遺伝子情報を持つDNA細胞に紫外線が吸収されることで傷つきます。結果、皮膚が赤みをおびたり重度の場合はシミやシミの原因となるのです

しかし、人の身体というのは常に細胞が生まれ変わり(新陳代謝と言います)を繰り返しており、日焼けによるダメージであってもすぐに修復が始まります。夏に海や川に出かけて日焼けをしてしまい、翌日赤く腫れ上がったとしても、その年の冬までその状態が続くことはありませんよね?

ですが、傷ついた細胞が修復を繰り返す過程で突然変異のような形で異常が起こると、「皮膚がん」を発症してしまうのです。

つまり、日焼けの回数が多ければ多いほど、皮膚がん発症のリスクが高まるということになります。

日焼けによるメリットはないの?

一般的に太陽からの紫外線が骨を丈夫にするために使われるビタミンDの合成に関わるとされていますが、わざわざ日光浴の時間を取らずとも日常生活の中で浴びる日光量で十分事足ります。

時折、海外などの公園で日光浴をしている様子がテレビなどで映ったりもしますが、理由は上記に記したものがほとんどです。欧米(特にイギリスなど)では比較的太陽が姿を現すような「晴れ」の日が少なく、国民も「日光不足」を自覚しているようですが、そもそもそれが間違いの可能性も少なくありません。

ビタミンDの合成は「くる病」の予防も兼ねているのでしょうが、年齢を重ねるにつれて現れ始めるシミやシワは間違いなく身体に良いと思って行っていた日焼けによるものです。

とは言え、涼しい風が吹く中で温かい太陽の日差しを浴びるのは気持ちがいいものです。

気分もリフレッシュされ、気持ちが整うというメリットもあるでしょう。

さいごに

今回は健康にも美容にも関わる「日焼け」についてご紹介しました。

本文中でもご紹介しましたが、過度な日焼けは皮膚がんの発症リスクを高めてしまいます。くる病を予防するためのビタミンDの合成は日常生活で浴びる紫外線で十分に足りますので、日光浴をされる際はリフレッシュを兼ねて短時間で済ますようにされ