私たちの生活において、「お米を食べること」は何ら不思議なことではなく、むしろ当たり前のことなのではないでしょうか。それは遥か昔、遠い祖先の時代からずーっと続いてきたもです。

しかし、時代の流れと共に我々日本人の食文化にも変化が出て来ました。

食文化の欧米化」です。現在では自宅でも外に食べに出ても洋食を食べることは当たり前ですし、最近ではお米を全く食べないなんて方も少なくありません。

そんな現代だからこそ、改めて日本人本来の食文化、「和食」が世界的にも注目を集めています。美味しいだけでなく、ヘルシー且つ様々な栄養素が1回の食事で摂取可能であり、それでいて減塩、普段皆さんがご自宅で食べるような和食とは少しかけ離れたところにあるように思われるかもしれませんが、それだけ皆さんの食生活に洋食の影響が及んでいる証拠かもしれません。

今回は、そんな和食の中でも「お米」について、とりわけ「雑穀米」を食べることのメリットについてご紹介させていただきます。

そもそも雑穀米とは?

雑穀とは、アワ、キビ、ヒエ、赤米、黒米などのイネ科の穀物の総称(豆類を含む場合もある)で、雑穀という種類は存在しません。過酷な環境条件でも育つため、縄文時代前期(今から約5000年前)から日本人の主食として栽培されていました。

雑穀米は、これらの雑穀を白米に一緒に混ぜて炊いたものを言い、混ぜ合わせる雑穀の数に応じて「〇〇穀米」という風に呼びます。

例えば、5種類の雑穀が入っていれば「5穀米」、16種類の雑穀が入っていれば「16穀米」となる訳です。

余談ではありますが、このように白米(もしくは玄米)に雑穀を混ぜて一緒に食べるような文化は最近までは主流であり、白米だけを単体で食べるようになったのは戦後日本の暮らしが豊かになってからなのです。白米は「豊かさの象徴」でもあり、雑穀米が敬遠されがちな理由の一つになっているとも言われています。

雑穀米のもつ栄養素を白米と比較!

でんぷん質とたんぱく質が主な栄養素である白米に比べ、雑穀はミネラル類、食物繊維のほか、抗酸化作用など生活習慣病などを抑制する効果があるポリフェノールがとても豊富に含まれています。混ぜ合わせる雑穀の種類によって摂取できる栄養素や期待できる健康効果も違うため、自分好みの雑穀米を作ることも可能です。

同量の白米と比較したときに摂取できる栄養素が非常に多いということは、ダイエット効果にも期待が持てるでしょう。

また、違いは栄養素の数だけでなく、GI値(血糖値上昇指数)にも同じことが言えます。雑穀米のGI値は白米に比べて低いため、体内での吸収後の血糖値の上昇が緩やかです。白米などのGI値が高い食品は血糖値をい急激に上昇させ、インスリンという物質を過剰に分泌させます。すると、本来吸収されるべ栄養素が上手く吸収できずに余ってしまいます。余った脂肪は中性脂肪として蓄えられ、結果肥満へと繋がってしますのです。

しかし、意外と見落とされがちなのがカロリーです。ヘルシーなイメージばかりが先行してしまい、白米に比べてカロリーまで低いと認識されがちな雑穀米ですが、150gの白米が約252kcalなのに対して雑穀米は同量で232kcalとそこまで大差はありません。栄養が摂れるということは、それだけカロリーも摂れるということを覚えておいて下さい。

おわりに

今回は今世界的にも注目を集めている和食の中でも「雑穀米」についてご紹介しました。

健康上のメリットについても本文中で触れましたが、大前提として出来るだけ毎日食べることが大事になってきます。長く続けること、つまり習慣にすることで初めて得られるのが健康というものですので、好みやご自身の健康状態に合わせた摂取を