年末に向けて寒さが急激に加速したように感じる今日ですが、寒さが原因ともなる「冷え」は万病のもとともなり得るため、ないがしろには出来ません。

冷え」に対する対策や改善策は様々ですが、その中の一つでもある「入浴」は比較的容易に症状を改善してくれる効率的な手段と言えるでしょう。

また、介護的な観点から見ても週に6~7日入浴する方と週に0~2回のみの入浴する方を比べた時に、前者の場合では要介護になる割合が3割低いという結果が出ています

今回は、そんな入浴にまつわるメリットと注意点について、詳しくご紹介したいと思います。

入浴で得られるメリットとは?

身体を温めて疲れをとるのが入浴の主な効果だろうと考えておられる方も多いと思いますが、入浴から得られるメリットはそんなものじゃありません。

温熱作用

こちらは誰もが容易に想像できる効果かもしれませんが、非常に大切なものです。入浴によって血管が広がり、血流が促進することで新陳代謝が活発になります。さらには筋肉や関節の緊張が緩み、敏感になっている神経をほぐすことでリラックス効果や快眠、疲労回復に繋がります。

静水圧作用

湯船に浸かるということは、それだけ身体に水圧(負荷)がかかることを意味します。しかし、ここでの負荷は身体的なダメージとは逆になります。身体にかかる水圧が浮腫みの原因でもある血液のうっ滞を解消し、さらには血流を促進することで新陳代謝を活発にしてくれるのです。

清浄作用

最近はシャワーだけで簡単に済ませてしまう方も多いですが、湯船にしっかりと浸かればその間に毛穴がが開き、皮膚の表面にある汚れや皮脂を流れ出させることが可能です。私の知り合いのエステティシャンの話では、アロマオイルを使った施術中に背中を手でマッサージしていると、あまり入浴されない方ほど垢がボロボロと出るという話を聞いたことがありますが、毛穴の中までキレイにするにはシャワーだけでは役不足ということがわかりますね(汗)

気を付けて!入浴する際の注意点

健康効果がたくさんある入浴ですが、以下のように注意点もいくつか存在します。

急激な血圧の変化に要注意!

寒い時期ほど熱いお風呂に浸かりたくなりますが、それが一番要注意です。例えば寒い脱衣所などで衣服を脱ぐ際、身体(筋肉や関節)は緊張して一気に固まります。これは交感神経が優位になっている状態であり、一種の興奮状態と言え、このタイミングで血圧も一気に上昇します。そんな状態で熱いお風呂に浸かると、冷めた身体が一気に温まり、再び交感神経が刺激されて血圧がさらに上昇してしまい、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが増してしまいます。

湯船のふたを外して事前に浴室を温めたり、心臓に一番遠い手足などからかけ湯をして身体に慣らすなど工夫がとても大事になるでしょう。

また、お風呂の温度に関しても42℃以下とあまり高い温度にならないように注意が必要です。

食後や飲酒の後のお風呂は避けよう!

食事をした直後や飲酒直後の入浴は、本来であれば食べたものを消化するために使われる筈の血液が体の表面に集中してしまい、消化管に悪影響を及ぼします。その際に眠気を促すなどして、最悪の場合重大な事故に繋がりかねませんので、一定の時間を空けるなど注意が必要です。

長風呂をする時は水分補給を!

入浴中に携帯をさわったり読書をするような半身浴が話題ではありますが、半身浴自体は決して悪いことではありません。高い入浴効果が認められているため、無理の無い範囲で実践してもらえれば良いのですが、その際には水分補給を意識して行いましょう。

半身浴は決して我慢大会でも、身体の中の水分をカラカラにするような減量末期のボクサーが行う減量方法でもありません。喉が渇く前にこまめに水分を補給し、リラックス出来る範囲でとどめておくことが重要でしょう。

おわりに

今回は「入浴」に関する健康効果、それに伴う注意点についてご紹介しました。

人によって好き嫌いはありますが、デメリットも少なくむしろ健康効果を高めてくれる非常に優れた健康法でもありますので、是非ともお試し頂きたいなと思います。