イソロイシンの基本情報

イソロイシンは必須アミノ酸の一つであり、バリンやロイシンと同様に構造上分岐鎖アミノ酸(BCAA)にも分類されます。疲労の回復や運動時のエネルギー補給など、運動時に使用されるようなスポーツサプリメント等にも多くの配合されるアミノ酸です。

冒頭でもあるように、イソロイシンは必須アミノ酸と言って体内で合成することが出来ないアミノ酸の一種であるため、必ず食事から摂取する必要があります。

イソロイシンの効果

  • 神経機能を正常に保つ
    イソロイシンは神経の働きをサポートする役割を持つため、脳から出された指令を素早く未端組織に伝達し、判断力や反射速度を上げる作用があります。
  • 成長を促進する
    イソロイシンは甲状腺ホルモンの分泌を促し、筋肉や体の成長を促進する効果があります。甲状腺ホルモンとは、甲状腺から分泌され、全身の細胞に作用して代謝を促進する働きを持つホルモンのことです。
  • 糖尿病を予防する
    イソロイシンが糖尿病に効果的ということが近年判明しました。イソロイシンは摂取した糖質が吸収された後に筋肉へ取り込まれることを促進することで、血糖値の上昇を抑制する効果があり、血糖値をコントロールすることも期待できます。

イソロイシンを多く含む食材

イソロイシンを含むBCAA(分岐鎖アミノ酸)は動物性たんぱく質に多く含まれています。牛肉やマグロ、卵やチーズなど幅広い食材に含まれていることは間違いないですが、効率的に摂取量を確保するという意味では、スポーツサプリメントなどが最も効率が良いと言えるでしょう。

イソロイシンの欠乏症と過剰症

イソロイシン単体の欠乏症ではありませんが、イソロイシンを含むBCAAの不足は間接的に肝硬変の原因へと結びつきます。BCAAが不足することによりAAA(フェニルアラニン・チロシン)の比率が低下すると、BCAAが減少しAAAが増加した「アミノ酸インバランス」が見られます。左記のことより、BCAAを多く摂取しAAAを減らすことでアミノ酸バランスを整え、肝臓のエネルギー不足を補うと、肝臓でアルブミンが多く作られるようになって肝硬変の予防に繋がるでしょう。

イソロイシンの過剰症についても、イソロイシン単体の摂取による過剰症というよりは、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)の摂取量バランスの崩れによる体調の変化が考えられます。この3種類のバランスが崩れることにより、体重の減少やブドウ糖の代謝不良、アンモニア排出の阻害などのリスクが高まります。

さいごに

今回は必須アミノ酸の一つであり、BCAAの材料でもある「イソロイシン」についてご紹介しました。

アミノ酸の摂取の特徴として、「全体のバランス」が非常に大切であることがお分かりになられたかと思いますが、特定の成分が偏らないためにも様々な食材からバランス良く摂取することが求められますね。