バリンの基本情報

バリンは必須アミノ酸の一つであり、ロイシンやイソロイシンと同様に構造上分岐鎖アミノ酸(BCAA)にも分類されます。疲労の回復や運動時のエネルギー補給など、運動時に使用されるようなスポーツサプリメント等にも多くの配合されるアミノ酸です。

また、必須アミノ酸であるため体内でバリンを合成することは出来ず、食品や食材から摂取しなければいけないだけでなく、上記でご紹介した働き以外にも様々な役割を担っています。

バリンの効果

  • 筋肉を修復してくれる
    筋肉中のたんぱく質を構成するバリンですが、BCAAの構成要素でもあるぐらいなので、激しい運動などで傷付いた筋肉を修復する際に大いに力を発揮します。筋肉は血液中の窒素を取り込むことで成長するという特徴を持ちますが、その窒素のバランスがとても重要となります。バリンにはその窒素のバランスを調整し、さらには筋肉の分解・減少を防ぐ役割まであるのです。
  • 肝硬変を改善する
    これはバリンに限ったことではありませんが、バリンを含むBCAAには肝硬変を改善する効果が認められています。BCAAの不足は間接的に肝硬変の原因へと結びつきます。BCAAが不足することによりAAA(フェニルアラニン・チロシン)の比率が低下すると、BCAAが減少しAAAが増加した「アミノ酸インバランス」が見られます。左記のことより、BCAAを多く摂取しAAAを減らすことでアミノ酸バランスを整え、肝臓のエネルギー不足を補うと、肝臓でアルブミンが多く作られるようになって肝硬変の予防・改善に繋がるでしょう。

バリンを多く含む食材

バリンは動物性たんぱく質に当てはまるレバー(肝臓)などの肉類、脱脂粉乳やチーズなどの乳製品落花生などの植物類に多く含まれています。

また、バリンの特徴として苦味成分とほのかな甘みが確認されており、スポーツサプリメントとして以外にも食品添加物として広く使用されることがあります。

バリンを含むアミノ酸は、上記のように味の調整のために使われる調味料や漬物、即席のスープなど、実は我々の普段の生活の中で意外と接する機会が多いアミノ酸なのです。

バリンの欠乏症と過剰症

バリンは他のBCAA同様に様々な食材中に含まれているアミノ酸のため、基本的には不足することはないと考えられておりますが、必須アミノ酸に指定されており体内で合成が出来ないため、1日平均26mgの摂取が推奨されています。

また、バリン単体の過剰症・欠乏症はそこまで目立ちませんが、例えばBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)の3つのどれか1つが不足することにより、その不足したアミノ酸が制限アミノ酸となることで他のアミノ酸の足を引っ張ることになったり、どれか1つを過剰に摂取することでアミノ酸のバランスがインバランスとなることがあります。

長期的なバランスの崩れは、体重の減少やブドウ糖の代謝不足、アンモニア排出の阻害などのリスクを高めることになるでしょう。

さいごに

今回は必須アミノ酸の一つであり、BCAAの材料でもある「バリン」についてご紹介しました。

アミノ酸の摂取の特徴として、「全体のバランス」が非常に大切であることがお分かりになられたかと思いますが、特定の成分が偏らないためにも様々な食材からバランス良く摂取することが求められますね。