ロイシンの基本情報

ロイシンは必須アミノ酸の一つであり、筋肉の成長の促進・分解の抑制に効果のあるBCAA(分岐差アミノ酸)の一つにも分類されています。9種類ある必須アミノ酸の中でも1日の必要摂取量が最も多い種類ではありますが、様々な食材・食品中に含まれることから※制限アミノ酸には指定されていません。

※制限アミノ酸:必要量に対して充足率の低いアミノ酸のこと。必須アミノ酸は相互の量が一定の範囲内にあることが大切であり、ひとつでも不足しているアミノ酸があると、たんぱく質の利用効率は不足しているアミノ酸に引っ張られて低下してしまいます。

BCAAの材料でもあるロイシンですので、どうしても筋肉との結びつきが強く、一般の人には必要ないと考えられがちですが、決してそんなことはありません。筋肉成長の促進・分解の抑制の他にも、肝臓の機能を強化するなどの効果も認められています。

ロイシンの効果

  • 筋肉の成長の促進と分解の抑制
    BCAAの材料であることは前述の通りですが、その中でもロイシンは最も筋肉の合成と分解に作用するアミノ酸です。インスリンの分泌を活発にする作用があるため、ブドウ糖をエネルギーとして活用する助けも担います。
  • 肝機能の効果を高める
    肝臓は、体を動かすためのエネルギー源となるグリコーゲンの代謝・貯蓄などの様々な機能を担っているため、ロイシンを摂取することは間接的に肝臓の機能を強化することとなります。
  • ストレスを緩和する
    ※エンドルフィンと同様の効果を持つため、摂取することでストレスを和らげる効果があります。
    ※鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られ、モルヒネ同様の作用を示すことから脳内麻薬とも呼ばれています。

ロイシンを多く含む食材

ロイシンは、必須アミノ酸含有量の高い食品に多く含まれます。特に動物性たんぱく質に多く含まれており、肉や魚、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品が挙げられます。通常の食事をしていれば、不足することは少ないとされています。

また、現在は市販されている多くのサプリメントからも摂取が可能です。多くの場合が粉末の状態から水などに溶かして摂取するタイプですので、お肉やお魚をしっかり食べるのが辛い方でも摂取が容易となります。

ロイシンの欠乏症と過剰症

前述の通り、ロイシンは必須アミノ酸の中で最も必要摂取量が多いアミノ酸ではありますが、幅広い食材・食品に含まれているためほとんどの場合で不足することはありません。

しかし、仮にロイシンが不足して欠乏症となった場合には、肝機能の低下に伴うグリコーゲンの不合成やインスリンの分泌量の減少に繋がります。インスリンの分泌を増加させてブドウ糖を筋肉の細胞に取り込むのを助け、運動時の持久力を高めたり運動後の筋肉を修復・補強する作用があるので、インスリンの減少は血糖値の上昇を招き、腎機能の低下や糖尿病の原因になります。

また、ロイシンを過剰に摂取することは、他のアミノ酸とのバランスを崩してしまい、結果的に免疫力の低下などのリスクを高めることとなります。

特定の食材ばかりを食べるのではなく、幅広い食材から栄養を摂取するのが望ましいと言えるでしょう。

さいごに

今回は必須アミノ酸の一つであり、BCAAの材料ともなる「ロイシン」についてご紹介しました。

幅広い食材・食品中から摂取が可能とご紹介しましたが、近年ではたんぱく質不足が囁かれる時代です。私は大丈夫と思っている方ほど案外不足しがちなこともありますので、是非とも意識して頂ければと思います。