突然ですが、皆さんはたんぱく質とアミノ酸の違いを説明できますでしょうか?

実はこの質問、非常に意地悪な質問でして、実はアミノ酸が数十万個から数百万個つながった状態をたんぱく質と言い、たんぱく質はアミノ酸の集合体なのです。

例えるなら、東京都そのものがたんぱく質であり、東京都を構成する東京23区がアミノ酸ということです。

そんなアミノ酸ですが、種類も効果も様々であり、体内で合成出来るものからそうでないものまで数多くの種類が存在します。

本日はそんな人体に欠かすことの出来ないたんぱく質を構成する元とも言える「アミノ酸」について、詳しくご紹介させていただきたいと思います。

そもそもアミノ酸って何?

アミノ酸とは言ってしまえば「生命の源」という風に例えることが出来るでしょう。たんぱく質を形成することから、身体の様々な細胞を作るための材料となるだけでなく、体内で吸収されることによって身体の至るところで機能する役割を担います。

そんなアミノ酸が不足すれば、形成するたんぱく質が不足することに直結しますので、成長障害や重篤な場合には命に係わる疾患・影響が考えられるでしょう。

とは言うものの、アミノ酸は様々な食材・食品に含まれていることからそう簡単に不足するとは考えにくいですが、近年では高齢者の方々のアミノ酸不足、たんぱく質不足が大きな問題となっています。

ヒトのたんぱく質を構成するアミノ酸

我々ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸は20種類であり、体内で合成できないもの(必須アミノ酸)と合成できるもの(非必須アミノ酸)に分けられます。必須アミノ酸/非必須アミノ酸の種類は生物や年齢、生体状況によって異なりますが、その中でも必須アミノ酸は体内で合成が出来ないため、食事などから摂取する必要があります。

必須アミノ酸

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • ヒスチジン
  • リジン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • スレオニン
  • トリプトファン

非必須アミノ酸

  • アスパラギン
  • アスパラギン酸
  • アラニン
  • アルギニン
  • システイン
  • グルタミン
  • グルタミン酸
  • グリシン
  • プロリン
  • セリン
  • チロシン

様々な分野で活躍するアミノ酸

前述の20種類以外にも、たんぱく質の合成後に作られるアミノ酸や、「遊離アミノ酸」といってそもそもたんぱく質を構成しないものも数多く存在します。

さらに、アミノ酸は「栄養」という分野だけでなく、食品加工や医薬品原料、化学薬品原料や肥料など、私たち生活の中の様々な分野で使用されています。

  • 医薬品
    アミノ酸がそのまま医薬品としても使われていたり、アミノ酸を元に製造されるものなど、錠剤や顆粒などの形状を問わず現在の医療では欠かせない存在です。
  • 健康食品
    食事だけでは摂取しきれないアミノ酸を補う目的として使用されますアスリートはもちろんのこと、一般の方や美容効果を期待する人、現在では介護の現場でも使用されるなどその用途は広がりを見せています。
  • 食品/飲料
    多くの場合調味料や強化剤として使用されています。近年では健康食品の増加に伴い、従来の調味料に代わって代用されることも増えました。
  • 化粧品
    アミノ酸が持つ高い保湿作用やphを利用した化粧品に使用されます。
  • 飼料/肥料
    アミノ酸は我々だけでなく動物や植物にも欠かすことの出来ない栄養素です。農作物の肥料から家畜の健康維持まで、様々な場面で使用されています。

おわりに

今回は、ヒトのみならず動物や植物など様々な生物が必要とする「アミノ酸」についてご紹介しました。数年前に比べればアミノ酸関連の商品の数は格段に増えましたが、未だにたんぱく質不足、アミノ酸不足は囁かれているのが現状です。

スポーツをしている、していないに関わらず、是非とも意識して頂きたい栄養素だと私は思います。