ヒスチジンの基本情報

必須アミノ酸と言えば、「体内で合成することが出来ないアミノ酸のため、食物から摂取する必要がある」ということは既にご存知の方もおられるのではないでしょうか。

しかし、このヒスチジンに関しては他の必須アミノ酸とは異なる点があり、子どもの時は合成することができないが大人になると合成することできるという、必須アミノ酸の中でも唯一体内での合成が可能なアミノ酸です。

ギリシャ語で「組織」を意味するヒスチジンですが、上記のような特徴から比較的成長期の子どもにのみ大事なアミノ酸と考えられがちではありますが、成人でも不足すれば体内での異常が多数発生する大切なアミノ酸です。

ヒスチジンの効果・効能

  • 成長を促進する
    冒頭でもあるように、ヒスチジンの最たる効果は「成長」に寄与します。成人では合成が可能ではありますが、発育が不十分な子供の時期には合成が不可能なため、お肉やお魚、乳製品など様々な食材からバランス良く摂取することで、成長を促進する効果を得ることが出来るでしょう。アミノ酸をバランス良く摂取するという意味では、子供だけでなく成人も同様に大事なことと言えます。
  • 関節炎の予防と改善
    交感神経を刺激してくれる「ヒスタミン」に変換される性質を持つため、外傷や特に関節炎などの慢性的な痛みやストレスを伴う症状に対して効果を発揮します。
  • ダイエット効果
    関節炎の予防と解消同様、ヒスタミンに変換されることで交感神経を刺激し、神経機能を経て脂肪細胞を間接的に刺激して脂肪燃焼を促します。他にも過食などを防ぐ意味で食欲を抑えてくれる効果があるため、高いダイエット効果が期待されるアミノ酸の一つです。

ヒスチジンを多く含む食材

食材でヒスチジンを多く含んでいるのは、マグロ、カツオ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚や鶏胸肉、豚赤身肉などの肉類、チーズやヨーグルトなどの乳製品、大豆やきな粉などの大豆製品などです。

特に青魚に多く含まれており、カツオには100gあたり約2,500mg、サバには約1,250mg、イワシには約1,000mgものヒスチジンが含まれています。

成人の1日の必要摂取量は、体重1kgに対し約10mgと言われています。(例えば、体重が50kgの方の場合は500mgとなります。)

ヒスチジンの欠乏症

普段からたんぱく質を意識した食事を心掛けている場合にはヒスチジンが不足することはほとんどありませんが、不足してしまうと、成長不良や神経機能の低下のリスクが高まります。

体内で合成することのできない子どもの場合は発育阻害となってしまいますし、ヒスチジンを体内で合成することができる大人であっても、不足することによって皮膚トラブルや肥満などを引き起こす恐れがあるため、食事からの摂取は欠かせません。

おわりに

今回は必須アミノ酸の中でも少し変わった特徴を持つ「ヒスチジン」についてご紹介しました。成長期の子どもにはもちろんですが、体内での合成が可能な成人であっても不足すれば必ず異常をきたす大事なアミノ酸です。常にバランスの取れた食事を心掛けておくことが大事であると言えるでしょう。