リジンの基本情報

リジンとは「必須アミノ酸」の一つであり、体内での合成が不可能な栄養素のため、食物から摂取する必要がある栄養素です。

主な働きとして疲労回復や脳卒中の予防、肝機能の働きを高めるなど、抗体やホルモン、酵素などをつくる機能を担っており、体の組織の修復や成長に関与していることから、人体を構成するたんぱく質の組み立てに無くてはならないアミノ酸と言えるでしょう。

特定の食材・食品からリジンだけを限定して摂取することは非常に難しく、リジン以外のアミノ酸と一緒に摂取することが一般的となりますが、植物性たんぱく質食品中のリジンの含有量が少ないために、穀物や野菜中心の食事の方は不足しやすい栄養素です。

リジンの効果・効能

  • 疲労回復と成長作用
    リジンの一番の特徴として、身体の組織の修復や成長に関わるというものがあります。たんぱく質の吸収を促すことで細胞の修復や成長を促進したり、カルシウムの吸収を促すことで骨を丈夫に保ってくれます。細胞を修復するということは、疲れをいち早く取り除くことにもなるため、なかなか疲れが取れにくい方にもおすすめと言えるでしょう。
  • 肝機能を高める
    過度なアルコール摂取や慢性的なアルコールの摂取によって弱った肝臓の機能を高める働きがあります。肝機能を高めることで血中のコレステロールや飽和脂肪酸の増加を抑えることができるだけでなく、必要な脂肪酸を適切に利用することにも繋がります。
  • 脳卒中を予防する
    リジンの働きの一つに「血圧を抑える」というものがあるため、必要量を摂取するだけでも脳卒中などの高血圧が原因で発症する疾患のリスクを下げることができるでしょう。

リジンを多く含む食材

リジンは動物性たんぱく質である牛乳やチーズ、鶏肉などに多く含まれます。一番最小にリジンが発見された食材も牛乳であり、生体を構成するたんぱく質中におよそ2~10%ほど含まれています。

植物性たんぱく質中にあまり含まれておらず、普段からは動物性食材を食べないような方では注意が必要です。

幅広い食材中に含まれている訳ではないリジンは、必須アミノ酸の中でも最も「制限アミノ酸」になりやすいため、菜食主義やベジタリアンの方ではサプリメントなどで補う必要があるでしょう。

リジンの欠乏症と過剰症

上項でもお話しましたが、普段の食事であまり動物性たんぱく質を摂取されない方やベジタリアンの方ではリジンが不足しやすくなります。軽度な症状ではめまいや疲れが取れにくくなるなどがありますが、長期的に不足すれば肝機能の低下や血中コレステロールの増加により多くの疾患のリスクを高めることになります。

また、過剰症についてはあまり心配がなされていません。しかし、サプリメントの摂取などによりリジンを過剰に摂取する場合には、腎機能障害などの症状に注意が必要です。

おわりに

今回は必須アミノ酸の一つでもある「リジン」についてご紹介しました。

スポーツや運動をしているしていないに関わらず、疲れやすい方や体調を整えたい方にはおすすめのアミノ酸です。

昔に比べて食事量が減ってしまった人ほどサプリメントなどを上手く活用して摂取できると良いですね。