忙しいという理由で、つい食事を抜いたり、カップラーメンやコンビニのおにぎり、菓子パンだけで空腹を満たしたりしていませんか?
昔から米などの炭水化物を主食としてきた日本人は炭水化物に偏った食事になりがちです。
これでは、しっかりと食べているつもりでも、タンパク質や脂質などの必要な栄養素が不足した【隠れ栄養失調】の状態になってしまいます。中でも問題なのが、免疫細胞や筋肉、血管の材料となるタンパク質の不足です。

特に近年ではタンパク質の不足から低栄養傾向になる人が増えています。

タンパク質不足のサインとは?

タンパク質不足の大きな要因は食生活の乱れや偏りです。一つでも当てはまれば、あなたはタンパク質が不足しているかもしれません。

  • 忙しくて簡単に食事を済ませてしまう
  • ダイエット中、あまり食べない
  • 運動しても体に変化がない
  • 集中力が続かない
  • 肌にハリやツヤがなくなってきた

一見、関係なさそうな心身トラブルでも、実は食生活の偏りから起きるタンパク質不足が原因となっていることがあります。タンパク質不足のサインを見逃していると、体や心に大きな影響を与えてしまいます。
今回はタンパク質不足が関与すると思われる症状と対策を紹介したいと思います。

タンパク質不足はどんな影響が起きるのか?

タンパク質は筋肉や臓器、細胞まで体内の様々な役割を担っています。
主な特徴は以下です。

  • 筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、爪などの体の材料になる
  • 神経伝達物質を構成
  • 免疫機能を高める

タンパク質不足が招く不調のなかでも特に身近に起こりうる「筋肉の減少」「肌や髪のトラブル」
「集中力、思考力の低下」の3点について詳しく見ていきましょう。

なぜ筋肉量が減少してしまうのか?

ダイエットや減量のために低カロリーの食事ばかりしてしまうと、体に必要なエネルギー量を確保できなくなります。そうなるとエネルギー不足による危険を察知して、筋肉を分解することで必要なエネルギーを作りだします。
つまり、必要なエネルギーを補給しないまま活動をしていると、筋肉を分解させる方向に進んでしまうので、筋肉量が減ってしまうのです。

なぜ肌や髪にトラブルが起きるのか?

髪や肌は常に綺麗に保っていたいものです。
特に女性は、肌のハリやツヤ、弾力を維持するコラーゲンを失いたくありませんよね。
しかしコラーゲンもタンパク質から構成されているので、体内のタンパク質が不足してしまうと、コラーゲンそのものが減少してしまいます。
皮膚組織の大部分を占める真皮の材料となっているのもコラーゲンです。
コラーゲンにエラスチンという体の構造を担う構造タンパク質が加わり、肌に弾力を与えると言われています。
また、髪の毛の大部分はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。
ケラチンは20種類あるアミノ酸の種類のうち一部が結合して作られる成分です。
タンパク質不足は枝毛や切れ毛の原因にもつながります。丈夫な髪の毛を作るどころか、薄毛を招く可能性もあるので要注意です。

なぜ集中力が低下してしまうのか?

やる気を出してくれるドーパミンや気持ちをリラックスさせるセロトニンなどの神経伝達物質は、アミノ酸(タンパク質を作る最小成分)からできています。そのためタンパク質が不足すると、神経伝達物質が脳内で普段のように作られず働きも鈍くなってしまいます。
なんだか最近物事がうまくいかない、知らず知らずのうちにぼーっとしていると感じたり、指摘されたりするなら要注意。タンパク質不足による神経伝達物質の鈍化によって、集中力や思考力が低下している可能性があります。
心身の不調はさまざまな要因によって起こりますが、体内のタンパク質不足が原因となって不調を招いていることも考えられます。症状を悪化させないためにも、まずはタンパク質をしっかりと補いましょう。

まとめ

タンパク質は1食1食意識をすればしっかりと補うことができます。
さらに効率的にタンパク質を摂取したいときにはアミノ酸スコアを参考にした食事や
サプリメントを取り入れるなど、ライフスタイルに合わせた効果的な摂取の方法を見つけましょう。