〇葉酸の基本情報
葉酸とは水溶性ビタミンでビタミンB群の一つであり、ビタミン₁₂と同様に赤血球の生合成を助ける働きがあります。ビタミン₁₂同様「造血のビタミン」と呼ばれることもあり、我々の体に欠かすことの出来ない栄養素と言えるでしょう。
神経管閉鎖障害のリスクを下げることが出来るなどして、厚生労働省からも積極的な摂取が呼びかけられています。
妊娠期の女性には必須の栄養素であり、赤血球の生合成を助けるほか、お腹の中の胎児の正常な発育に大きく関係しており、妊娠中では妊娠していない時と比べて約2倍の葉酸が必要とされます。
体内に存在する葉酸のうち約50%が肝臓に蓄えられており、残りの50%は細胞分裂の活発な組織から順に存在しています。
葉酸は葉野菜やレバーといった食品中に多く含まれますが、水に溶けだしやすく熱や光に弱いという水溶性ビタミン特有の特徴を持つことから食べ方や保存の仕方には注意が必要です。
茹でるなど調理の過程で葉酸は失われやすいので、比較的新鮮な状態で食べることの出来るサラダやジュースなどがおすすめです。
最も含有量の高い野菜はアスパラガスであり、その数値は約90%とかなり多くなっています。ブロッコリーが約60%、ほうれん草でも40%であることを比較すると、アスパラガスの含有量が多いのが一目瞭然ではないでしょうか。
また、葉酸はビタミンCによって体内で活性化し効果を発揮します。葉酸単体で摂るのではなく、ビタミン類と摂取すれば吸収効率格段に良くなります。
〇葉酸が不足するとどうなるの?
葉酸は体内に存在する腸内細菌内で合成が可能なビタミンであるため、葉酸欠乏症の心配はほとんどありません。
しかし、葉酸の必要量が高まる妊娠期・アルコールの摂取量が極めて多い方・長期的な避妊薬の服用によりホルモンバランスに乱れが生じている方などはこの限りではありません。
葉酸が不足するとビタミン₁₂の不足時同様に赤血球の生合成をスムーズに行うことが出来なくなります。そうなると血液中の赤血球の数がどんどん減少していき最終的には悪性貧血となってしまいます。
具体的な症状としては、下痢・息切れ・動悸・めまい・舌が炎症を伴い赤く腫れあがるなどがあります。
その他にも、神経系の障害として手足の痺れや痛み、物忘れが激しくなるなどの症状が多く見られますが、これらも全て葉酸(もしくはビタミン₁₂)を服用することで快方に向かいます。
特に注意が必要なのが妊娠期の女性です。
妊娠初期のタイミングで葉酸が不足した場合、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを高めることになり、無脳症などの先天性異常の確立を高めます。
〇葉酸を摂り過ぎるとどうなるの?
食品中から葉酸を摂る分には過剰摂取による健康上のリスクの心配はほとんどありません。
しかし、薬の服用やサプリメントの大量摂取などがある場合には、神経障害や発熱といった症状が見られます。
また、大量摂取が長期間続く場合には体内での亜鉛の摂取を阻害する可能性が高まるので注意して下さい。
〇おわりに
今回は水溶性ビタミンでビタミンB群の一つである葉酸についてご紹介しました。
貧血の予防の他、動脈硬化を予防したり子供の発育を助けるなどその働きは多岐に渡ります。
食事からの摂取が難しい場合にはサプリメントなどもうまく活用しながら決められた量の範囲でしっかり摂取したいですね。