1日1個のリンゴは医者を遠ざける」とまで言わしめる「リンゴ」ですが、果たしてあんな小さな果実1個にそれだけの栄養が含まれているのでしょうか?

誰もが一度は口にしたことがあるであろうリンゴ、今回はそんな身近な果物がもつ健康上のメリットを紹介しつつ、本当に医者いらずと言える優れた果物なのか確かめていきたいと思います。

リンゴに含まれる栄養素とは

リンゴ100gあたりに含まれる代表的な栄養素を以下にまとめました。

カリウム

摂取することで体内のナトリウム(塩分)を排出する働きがある「カリウム」ですが、その効果は血圧抑制など様々です。リンゴの名産地としても有名な青森県の県民はリンゴをよく食べることから高血圧の方が少ないことでも有名です。コンビニやスーパーなどで簡単に手に入る加工食品やファーストフードなどには塩分が多く含まれており、我々の食事は無意識のうちに塩分過多な食事になってしまっています。

ビタミンC

ビタミンC」は酸化しやすいビタミンでもあるため、調理や保管などに苦労する栄養素でありますが、リンゴに含まれるビタミンCは安定性の高い「酸化型」であるため、加熱や調理でビタミンCが壊れにくくなっています。

食物繊維

リンゴの皮に多く含まれる「食物繊維」は、腸の働きを活発にすることで消化吸収を促進し、繊維成分のひとつである「ペクチン」には成長作用を助ける役割があります。

また、血中のコレステロールを便と一緒に排出することで動脈硬化などの疾患を予防することが出来ます。

リンゴポリフェノール

1つの果物にポリフェノールが3種類以上含まれているものは珍しいと言われる中で、なんとリンゴには100種類以上のポリフェノールが含まれています。抗酸化作用が非常に強く、免疫力を高めてくれる「エピカテキン」、アレルギー予防や美白効果に期待が持てる「プロシアニジン」、高血圧の予防や視力関係の改善に期待が持てる「アントシアニン」など、この他にも多くのポリフェノールが含まれているのです。

リンゴはがんも予防出来る?

医者いらず」の異名をとるほどですから、日本人の死因の上位にもなっているがんを予防することが出来るのでしょうか?

がんにも様々な種類がありますが、直腸がんや結腸がんなどの大腸がんにかかった方の食生活を見てみると、その多くの方々が食物繊維などを多く含む果物や野菜類の摂取量が少なかったという報告があります。もちろんこれ以外にもがん発症の要因はあるでしょうが、大腸がんの発症リスクを高める要因の一つに腸管内で発生した発がん性物質の滞在時間が長ければ長いほど発症リスクが高まるという研究結果があります。

リンゴの成分である「ペクチン」には便秘解消効果だけでなく腸内で発生した有害物質の吸収や排出を促進する働きもあるため、発がん性物質を短時間で腸管内から排出し、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らしてくれる効果があるのです。

つまり、リンゴを食べることは長い目で見れば「がんの発症リスクを下げる」ということになります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回は様々な健康効果をもたらしてくれる「リンゴ」についてご紹介しました。

リンゴのもつ健康効果を最大限高めるには、1日だけ大量に食べるよりも、出来るだけ長い期間、毎日食べ続けることが大切です。

若者の果物離れやまだまだ果物は嗜好品としての認識が強いようにも感じますが、私は果物こそ「美味しく食べることが出来る薬」だと認識しています。

リンゴは加熱することでさらに栄養価が高まる果物でもあるので、是非とも意識されてくださいね。