食欲の秋とも言われるこの季節、スーパーには旬の食材が多く並び、主婦の皆さんを悩ませます。そんな旬の食材の中に「いちごとみかんの良いとこどり」と呼ばれる食材、「」があります。

大きめの柿であれば、それ1個で1日に必要なビタミンCを摂取することが可能であり、強い抗酸化作用を持つカロテン(ビタミンA)や浮腫み予防に欠かせないカリウム、便秘解消に役立つ食物繊維など、健康上嬉しい栄養素を豊富に含む果物です。

今回は、健康・美容・ダイエット・病気予防など幅広い分野で効果が期待できる秋の味覚、柿について詳しくご紹介します。

柿の起源や種類とは?

柿は日本が世界に誇る果物の一つです。日本では奈良時代には既に流通・販売しており、16世紀頃には欧米やポルトガルから日本にやってきた外国人が自国に柿の苗などを持ち帰り、そこから世界中に広まったとされています。柿の学名は「ディオスピロス・カキ」であり、「神が与えし食べ物・柿」という意味で、「kaki」という日本語がそのまま使われています。海外のスーパーに行けば、kakiとい名前で商品が並ぶ様子を見ることが出来るでしょう。

約1000種類の柿が存在しますが、大きく分けて3つの種類が存在します。種類によって甘みや栄養成分、食べ方などが多少違ってきます。

  • 甘柿
    甘柿はシブオール(タンニン)が水に溶けない形で含んでいるために渋みが無いかほとんど感じず、甘さが強く感じられる柿です。皆さんが普段口にする柿のほとんどがこの種類になります。
  • 不完全甘柿
    不完全甘柿は甘柿とそうでないものが混在する柿で、種ができないと渋柿になる傾向があります。
  • 渋柿
    渋柿はシブオールが水に溶ける状態のまま残る品種で、生食向けには収穫の後、『渋抜き』が必要となります。

柿の栄養素と健康効果とは?

冒頭でも少しご紹介しましたが、柿には健康上嬉しいメリットが沢山存在し、「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く健康食品として非常に優れていると言われています。

  • 豊富なビタミンC
    柿は、1個で100mgほどの豊富なビタミンCがあります。これは大人の一日摂取量の100gと同じで、1個で1日の所要量を摂取できるというわけです。ビタミンCは強い抗酸化作用を持つのでシミ・そばかす・しわ・たるみなどの美肌対策や、疲労回復にも期待ができると言われています。
  • β-カロテン
    βーカロテン(カロテノイドの一種)は体に入るとビタミンAに変換されます。カロテノイドは、活性酸素を除去しながら身体の抵抗力を高めて元気をつけ、病気を早く回復させてくれます。風邪の予防はもちろん、老化・ガン予防にも効果が期待されています。ビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分で、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため肌荒れなどに効果的です。
  • カリウム
    カリウムを多く含むので「高血圧」や「むくみ」に効果的です。体内の血液に含まれるナトリウムを、尿と一緒に排出する作用があるからです。足がつる・疲れやすい・高血圧・不整脈・尿が出にくいこのような状態の時もカリウム不足があるかもしれません。

さいごに

今回は秋の味覚、「柿」についてご紹介しました。これだけの健康効果を知れば、嫌でも沢山食べたくなるかもしれませんが、やはり食べ過ぎには注意が必要になってきます。

柿に含まれるタンニンやペクチンは便秘に効きますが、下痢になるリスクも高めます。
整腸作用のあるタンニンは、摂り過ぎれば便秘になってしまいますし、ペクチンは水溶性の食物繊維で便の中の水分を吸い取って便の硬さを調整してくれますが、消化に時間がかかるため、人によっては胃腸に負担をかけてしまうことがあります。柿は1日に1~2個くらいまでが適量です。