紙たばこ、電子タバコ、水たばこ、多種多様な製品が広く出回っている世の中ではありますが、近年、日本における喫煙者の数は年々減少傾向にあり、一時期4000万に以上いた喫煙者数も現在は3000万人を下回っています。

百害あって一利なし」とまで言われる嗜好品ですが、喫煙が我々の身体にどのような影響をもたらすのか、「肺がんのリスクが高まるんでしょ?」程度に考えておられる方も少なくないと私は感じます。

今回は、そんな「喫煙」が本人、そして周りの方々の健康にどう影響するのかについて、ご紹介させていただきます。

〇タバコには何が入っているの?

百害とは言うものの、タバコには一体何が入っているのでしょうか?

たばこに約3,000種類もの化学物質が含まれており、その内の約1割、200種類~300種類が身体に有害な物質とされています。喫煙者はもちろんのこと、非喫煙者の方でもご存知なものに「ニコチン」や「タール」、「一酸化炭素」などがあるかと思いますが、これらの物質は有害物質の中でも特に健康を害する物質なのです。

1本当たりのタバコには平均して約15mgのタールが含まれており、仮に1日20本、そそ生活を25年続ければコップ15杯分のタールを飲んだことになるのです

〇タバコによる健康被害は?

喫煙をすることにより、引き起こされる健康被害の確立、種類は格段に高まります。

喫煙行為が関係していると考えられる疾患はなんと50種類にも及びます。

一部を紹介しますが、肺がん・咽頭がんなど10種類、血管収縮・心筋梗塞・狭心症・脳卒中などの循環器疾患、十二指腸潰瘍などの消火器疾患、運動機能の低下、知的能力の低下、免疫機能の低下、その他合併症のリスクを高めるなど多岐にわたります。

また、喫煙によるリスクは喫煙者のみならず、「副流煙」によってその周りの方々をも巻き込みます。

副流煙」とは喫煙者本人が口から吸う「主流煙」とは異なり、タバコの先端、火がついている部分から出ている煙のことを指し、この副流煙は主流煙に比べると約2~3倍の有害物質を含んでいるのです。これは、喫煙者がフィルターと呼ばれる部分を通して煙を吸うのに対し、副流煙はフィルターを介さないのが原因です。

このように副流煙を意識的・無意識的に吸ってしまうことを「受動喫煙」と言いますが、例えば、とある夫婦の内1人が喫煙者でもう1人非喫煙者の場合、夫婦ともにタバコを吸わない時と比べて約1.5倍、肺がんの発症率が高まるという研究結果が出ています。

〇おわりに

今回は「タバコ」の健康被害についてご紹介しました。

タバコの健康被害について、まだまだ軽く考えている人が多いのが現実ですが、タバコの箱(ケース)にも記されているように、「喫煙のマナー」とはポイ捨てや歩きタバコだけでなく、受動喫煙に関しても配慮を怠らないことが大切です。

すぐに禁煙するのが難しい場合は、先ずは数を減らすことに挑戦してみてはいかがでしょうか?

少しずつの積み重ねが大きな結果に繋がりますよ。