人間は仮に1ヶ月間、食べ物をまったく口に出来なかったとしてもその生命力から生きながらえることができますが、たった数日間、水分が摂取出来ないだけで死んでしまうとされています。

冒頭からいきなり物騒な話題でスタートしましたが、皆さんは普段から「水分」を意識して摂取されていますか?多くの方が「喉が乾いたら飲む」程度で考えておられる水分ですが、意識して飲めば嬉しいメリットが沢山あるのです。

今回は、そんな我々の生活に欠かすことの出来ない水分について、ご紹介したいと思います。

水分の働きとは?

およそ60%、新生児では80%が水分で出来ていると言われる我々の身体の中では、いったいどのような働きがあるのでしょうか?

  • 運搬
    酸素や栄養素を身体中に運び、老廃物は体外に排出してくれる。
  • 体温調節
    皮膚への血液の循環を促し、汗を排出することで体温を一定に保ちます。
  • 環境維持
    スムーズな新陳代謝のために、体液の性状を一定に保ってくれます。

上記の環境維持の説明でもあるように、飲料水などでとった水分は、腸から吸収され、血液などの「体液」になって全身をたえず循環しています。体液は我々の生命に関わる様々な役割を果たしてくれています。

水分補給を怠るとどうなるの?

我々人間は、体内の水分が体重のおよそ1%失われると「のどの渇き」を感じます。この時に適切に水分補給が行われなければ軽度の脱水症状が起こり始めます。

体重の2%を失うと不快感や食欲不振、運動能力の低下など、目に見えて身体の不調が分かるようになるでしょう。高温多湿の環境や、運動時、その他下痢や嘔吐などのような病気が原因で水分を排出してしまう時には、いつも以上に適切な水分補給が必要となります。

1日に必要な水分量とは?

1日に必要な水分量を知るには、1日に排出される水分量を知るのが最も効率的であると言えるでしょう。これは、環境やその人の健康状態によって多少の差はあるものの、健康な人であれば排泄される水分と摂取する水分がほぼ同じ量になることが分かっているからです。

成人が1日に排出する水分の合計量はおよそ2.5リットルにもなり、その内訳は尿が1,500ml、糞便が100ml、皮膚及び呼吸から900mlとなります。

つまり、1日にこれだけの水分が体内から排出されているということは、新たに2.5リットルもの新鮮な水分を体内に取り込む必要があるという訳です。

とは言え、2.5リットル全てを飲料水である水分で補う必要はありません。なぜなら、平均的な食事でおよそ1リットル、食べ物を分解してエネルギーを得る際にさらに0.3リットルの水分を摂取できるため、飲料水として摂取すべき量は残りの約 1.2リットルとなります。

おわりに

今回は我々の生活の中でも身近な存在、身近過ぎるが故に軽視されがちな「水分」についてご紹介しました。

非常に重要とは言え、やはりこの水分も一度に大量に摂取してしまうと、体内の塩分濃度が薄まり、最悪の場合死に至る可能性があります。ご注意ください。